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yo-shi
yo-shi, 一級知的財産管理技能士(コンテンツ専門業務)
カテゴリ: 特許・商標・著作権
満足したユーザー: 236
経験:  中央大学法学部・文学部卒業。出版社にて校正・編集業務に10年以上従事。書籍の著作権問題に詳しい。
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「はちどりの一滴」というお話があります。もともとは中南米に伝わる昔話のようですが、辻 信一さん(明治学院大学教授)が

質問者の質問

「はちどりの一滴」というお話があります。もともとは中南米に伝わる昔話のようですが、辻 信一さん(明治学院大学教授)が日本に紹介 し光文社から本がでています。
とても良い話ですので幼稚園のホームページに載せよう考えています。そこで質問です。
伝説とはいえ辻先生が訳したわけですので著作が発生しますか?
もし発生するとしたら光文社(又は辻先生)に許可を取る必要がありますでしょうか?
又は引用辻信一(「はちどりのひとしずく」光文社よりと記載すれば大丈夫でしょうか?
また英文、スペイン語文も各国のネットで散見しますが、これを私が訳した場合は辻先生(光文社)の著作権とは競合しないでしょうか?幼稚園のホームページですので、絶対に争いたくはありません。
よろしくお願いいたします。
投稿: 4 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  yo-shi 返答済み 4 年 前.
ご質問を承りました。
トラブルが生じない方法を、ご説明いたします。

■A■ 無料でできる方法

「中南米に伝わる昔話」ということですので、作者の著作権は考えなくてもいいと思います。
(著作権の保護期間は、原則として作者の死後50年)

そこで、ポイントを訳者である辻先生との関係に絞ってお答えいたします。

まず、著作権法が保護しているのは、「表現」です。

著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。 (2条1項1号)

「表現」とは、アイデアや事実の内容ではない、ということです。
例えば、書評のように、本を紹介することは、よく行われています。
200ページの本を、一言で、「この本は、こういう本です」と要旨だけ紹介する分には、著作権は問題になりません。
しかし、本に書かれている文章表現をそのまま使ったり、それを読むだけで元の本を読まなくてもじゅうぶんだという程度にまとめた要約だと、著作権が問題になります。
(この辺は厳密な基準を設けることはできないので、ケースバイケースなのですが)

ですので、
「『はちどりの一滴』とは、こういうお話です」
と概略だけ書いたり、あらすじだけ紹介する分には、おそらく問題になることは少ないでしょう。

ただそれだと、質問者様のお望みにお応えしきれないように思います。

次の方法は、原文から質問者様が日本語に訳すことです。
翻訳は、原文と翻訳文と、それぞれに著作権が発生しますが、原文の著作権が切れていれば、翻訳文の著作権だけ考えればよいのです。
辻先生の翻訳文を使わずに、著作権の切れた原文から質問者様が翻訳すれば、著作権は質問者様のものですので、問題にならなくなります。

しかし、原文と言っても、元にしようとする英文やスペイン語文の著作権が切れているかどうかを調べるのは、難しいかもしれません。
もし英文・スペイン語文の作者がハッキリしていて、著作権が切れていることが分かれば、いいのですが。


3番目の方法として、「引用」があります。
「引用」とは、このルールに従えば、著作権者に無断で利用してもいいですよ、という規定です。
これに従えば、辻先生の翻訳文を使うことができます。
著作権法32条にあります。

公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

ポイントは、「公正な慣行に合致」し、「目的上正当な範囲内で行なわれる」ことです。
どういうことかといいますと、
・自分の文章と引用しようとしている文章とを明瞭に区別し、
・自分の文章が主、引用しようとしている文章が従の関係にあること
です。
具体的には、まず質問者様が文章を書きます。
その文章がメインになって、「はちどりの一滴」をサブになるようにします。
そして、ここがご自分の文章で、ここが「はちどりの一滴」であると、ハッキリ分かるようにしておきます。
最後に、出典を明示します。
「辻信一『ハチドリのひとしずく』より」
と書いておけばいいでしょう。
(※出典を書きさえすれば引用になるのではないことに注意です)

つまり「引用」は、自分の文章が中心にあって、成立しますので、ただ辻先生の「はちどりの一滴」をホームページに載せるだけ、というやり方はできません。


■B■ 有料(かもしれない)方法

著作権は「私権」ですので、行使するもしないも自由です。
そこで、著作権者である辻先生に、
「幼稚園のホームページに掲載したいのですが、よろしいですか?」
と尋ねて、了解をもらえれば、掲載できます。
辻先生が、全文でもいいよとおっしゃれば、全文掲載も可能です。

辻先生に了解を頂くには、通常、出版社に相談すればよいでしょう。

ただし、通常は、ある程度の金銭を支払うのが普通です。
ホームページに載せるのは、ある意味出版と同じですから、出版社が作家に支払うのと同じように、対価を支払うことになるでしょう。
金額は、あくまで辻先生のご希望の額になります。

幼稚園でのこと、ということで、無償にしてくださる可能性もありますが、園内で配るプリントならともかく、ホームページへの掲載となると不特定多数が見られますので、それなりの金額が必要だと思いますし、そもそも断られるかもしれません。



以上が、基本的なお答えです。
この中から、現実的にできそうな手段を選んでいただければよいのではないかと思います。
その上で、分かりにくいところがございましたら、具体的にお示しいただけましたら、より詳しくご回答いたします。

よろしくお願いいたします。


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書籍の著作権問題には特に精通しています。「著作権は怖いモノ」という意識が少しでも軽くなるお手伝いができれば、と思います。
ご質問の解決につながりましたら、評価を入力していただきますよう、お願いいたします。

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