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カテゴリ: 特許・商標・著作権
満足したユーザー: 469
経験:  特に特許法、実用新案法、意匠法、商標法、パリ条約に精通しています。
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特許・商標・著作権

i-macとソーテックの裁判(H11.9.20判決)についてこの訴訟は意匠権と実用新案権で訴訟になったのでしょう

i-macとソーテックの裁判(H11.9.20判決)について
この訴訟原因は何ですか?
投稿: 4 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
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返答済み 4 年 前.

知的財産権を専門とする弁理士です。

 本事件は、アップルが、ソーテックのe-oneのデザインがiMacと類似するので、その製造・販売の差止め求める仮処分申請の申立てをした訴訟です。


 デザインの類似性が問題となっていますので、物品の外観形態(形状、模様、色彩、これらの組合せ)を保護する権利である意匠権に基づき、差止請求をしたいところですが、アップルは日本で意匠権を取得していなかったので、苦肉の策として、不正競争防止法を持ち出して、ソーテックが不正競争行為(不正競争防止法(以下「不」とします)2条1項1号、3条)を理由にして、差止めの仮処分申請をしたものと思われます。

 

 デザインの保護が目的ですので、技術的思想の創作(発明や考案)を保護対象とする特許権や実用新案権を持ち出すことはできないということです。


 また、本案訴訟ではなく、仮処分申請という形で提訴したのは、相手方が侵害していることの立証が簡単で裁判官の心証形成も「そうかもしれない」程度の弱いものでもよい「疎明」という方法で主張すればよく(本案訴訟では、相当程度の高い確信、心証形成を裁判官に与えないと認めてくれない「証明」が必要となります)、かつ、迅速な差止がなされるので、仮処分申請という方法で争ったものと思われます。


 不正競争行為には種々の類型があるのですが、アップルは、不2条1項1号の「周知表示混同惹起行為」を根拠として提訴しています。


 この行為に該当する要件は、以下の5つ全てを満たした時に不正競争行為となります。

 

①他人の商品等表示であること


②需要者の間に広く認識されていること(周知であること)


③同一または類似であること


④使用、譲渡、引渡し、展示、輸出、輸入、電気通信回線で提供のいずれかをしていること


⑤混同を生じること


裁判所は、


 ①につき、iMacの外観デザインも商品等表示になると認定し(本来、商品等表示は氏名、商号、商標など商品又は営業を表示するものをいい、デザインは条文上明記されていないにもかかわらず)、


 ②につき、「アップル商品の形態の特徴として、1.全体に曲線を多く用いた丸味を帯びた形態が選択されていること、2.外装に、半透明の白色と半透明の青色のツートンカラーのプラスティック素材が使用さ れていること、3.上面及び側面が穏やかな三角形状で、背面に向けて絞られた形態、上面及び側面の半透明青色の部分が連続的な意匠が選択されていること、4.上面に半透明白色の持ち手があることを挙げることができる。以上の点を総合すると、アップル商品は、パーソナルコンピュータとしては、従前、類似の形態を有する商品がなく、形態上、極めて独創性の高い商品ということができる。
 そして、アップル商品について、その形態に重点を置いた強力な宣伝がされたこと、アップル商品は、その形態の独自性に高い評価が集まり、マスコミにも注目され、販売実績も上がり、いわゆるヒット商品になっていることが一応認められる。
 以上によれば、アップル商品の形態は、アップルの商品表示として需要者の間に広く認識されている(周知商品表示性を獲得している)ものというべきである。」と判示し、周知性を認めました。


 ③につき、「e-oneとiMacは、いずれも、青色と白色のツートンカラーの半透明の外装部材で覆われた全体的に丸味を帯びた一体型のパーソナルコンピュータであり、曲線を多用したデザイン構成、色彩の選択、素材の選択において共通するのみならず、細部の形状においても多くの共通点を有することに照らすならば、少なくとも類似の外観を備えたものと解すべきであって、両者は類似しているというべきである。」と判示し、類似性を認めています。


 ④につき、現にe-oneは製造・販売されていますので要件を満たします。


 ⑤につき、「e-oneの形態がiMacの形態と類似していることに照らせば、需要者が、両者を誤認混同したり、少なくともe-oneを製造販売するソーテックがアップルらと何らかの資本関係、提携関係等を有するのではないかと誤認混同するおそれがあると認められる。」と判示し、混同のおそれありと認定しています。


 以上から、5要件すべてを満たすので、ソーテックの行為は不正競争に該当し(不2条1項1号)し、差止めの仮処分が決定されたものです。


 不正競争防止法には商品形態(デザイン等)を直接保護する規定(不2条1項3号)が存在するので、こちらを適用したほうが侵害が認定され易いと思われるのですが、この規定は類似では適用されずデッドコピー(そっくりそのままの模倣)でなけらばならないので、アップルとしては、本3号は適用されないと予想して1号での申請にしたと思われます。



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