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patent777
patent777, 弁理士
カテゴリ: 特許・商標・著作権
満足したユーザー: 396
経験:  特に特許法、実用新案法、意匠法、商標法、パリ条約に精通しています。
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質問です。 弊社はデザイン会社です。 クライアントの大手自動車メーカーから、一部の商品群を新たにブランド

質問者の質問

質問です。

弊社はデザイン会社です。

クライアントの大手自動車メーカーから、一部の商品群を新たにブランド化して販売して行くため、イラスト入りのロゴデザインとブランド名を考えて欲しいと依頼がありました。

そこで、まずは見積りを出すように言われており、
私としては単純な初回の制作費だけでなく、著作料やライセンス料というものを絡めて、
継続的な収入を得たいと考えています。
これが可能かという事と、その場合の妥当なやり方や金額の設定基準、
一般的な事例など、、、お教えいただきたいです。

商品は、車内にオプションとして販売するシートカバーやフロアマット、トランクスペース用のシート、キーホルダーやアクセサリー、などです。ペットを飼っておられる方向けの商材です。各自動車販売店にて車体と一緒に販売されます。
ロゴは、ポスター・チラシなどの広告物、カタログ、パッケージ、看板、商品に縫い付けられるタグなど、、、に使用されると思われます。

継続的な収入になるようであればいいので、
契約形態などに特にこだわりはありません。

何とぞご教授お願い申し上げます。
投稿: 3 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.

知的財産権を専門とする弁理士です。

1.著作物性について


 著作権料を得るには著作権を取得する必要があります。

 そして著作権として成立するには「著作物」でなければなりません。

 著作権法上、「著作物」とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」をいいます(著作権法(以下「著」とします)2条1項1号)。


 著作物として成立するために特に重要となりますのは「創作性」です。芸術性や学術性の高さは問題とされておらず、何らかの個性が現れていればよいとされ、他人の著作物の模倣でなければいいという程度のものです。


 そのため、イラスト入りのロゴデザインにつきましては、よほどありふれたものであるような場合を除いて「著作物」になると思われます。

 一方、ブランド名のような短い言語表現によるものは、一般的には著作物として認められない傾向にあります。


 上手下手は別として俳句のように個性が表現されているものであれば短い言語表現であっても著作物として認められますが、新聞の見出し記事や挨拶文のような短いものには著作物性が否定されることが多いのです。そのため、ブランド名のみでは著作物として認められないと思われます。


 ブランド名について権利を取得したいのであれば、ロゴデザインと組み合わせて一体とした形で著作物とするか、又はブランド名を単独で権利を取得したいということであれば、商標権を取得するという方法があります。


2.著作権の取得方法


 我が国の著作権は無方式主義を採用しており(著17条2項)、著作物の完成と同時に何らの様式行為(出願、申請、登録、料金支払など)を必要とせずに、自動的に著作者、すなわち著作物を創作した者(著2条1項2号)に発生します。


 そのため、ロゴデザインを完成させた時点で著作者である質問者様に自動的に著作権が生じます。なお、著作権の他に著作人格権も生じます。


 ここで、「著作権」とは複数の権利の束の総称であって、具体的には複製権(著21条)、上演・演奏権(著22条)、上映権(著22条の2)、公衆送信権(著23条)、口述権(著24条)、展示権(著25条)、頒布権(著26条)、譲渡権(著26条の2)、貸与権(著26条の3)、翻案権(著27条)、二次的利用権(著28条)の各権利のうち、ロゴデザインという著作物に関連する権利が生じます。


 一方、「著作者人格権」には、公表権(著18条)、氏名表示権(著19条)、同一性保持権(著20条)の各権利を含みます。


 著作権につきましては、上記各権利ごとにライセンス契約を締結したり、譲渡したりすることができます(著61条、63条)。しかし、著作者人格権は「人格」権ですので、譲渡したり、ライセンス契約をすることはできません。


 なお、先ほど、著作権は発生と同時に自動的に発生すると申しましたが、後々の権利の帰属に関する問題が発生した場合の「証拠にする」という意味において、公証役場で登録手続きをして、日付を確定しておくと立証が容易となります。


 ブランド名について商標権を取得するには、特許庁に対して、所定の願書を提出し、審査官による審査に合格しなければ発生しません(商標法18条1項)。この手続きは特許庁のHPから所定の様式を入手しご自分で行うことも可能ですが、手続きが難しいので特許事務所に有料で依頼することになろうかと思われます。なおロゴ単独で又はブランドとの結合商標としても商標権を取得することもできます


3.継続的な収入


 ライセンス料については、上述しましたように著作権や商標権に基づいて得ることはできます。


 ただ、料金につきましては個々の具体的事情により、まちまちで、相場というようなものは存在しません。ロゴデザインの内容、使用される期間、使用される地域範囲、売上に占めるロゴデザインの貢献度、力関係など、多様な要素を総合的に判断して決まることになろうかと思われます。


 かつては販売価格の5%前後というようなこともいわれていましたが、近年では具体的事情を考慮して決めることが多いようです。


 業界相場のようなものがあったり、過去において契約した実績があれば、それが参考になるのと思われます。


 また、著作権については、全ての権利とか、複製権のみとか、複製権と譲渡権のみといったように、全部又は一部についてのみのライセンスや譲渡が可能ですので、その契約内容によっても金額は異なってくると思われます。





専門家:  patent777 返答済み 3 年 前.

追加の説明をします

 先ほど創作者が著作者となり、その著作者に著作権等が自動的に発生するとご説明しましたが、その著作物となるであろうロゴデザインが「職務著作」に該当する場合には依頼した会社(本事案ではメーカー)が著作者となり、著作権等はそのメーカーに生じます(著15条)。


 職務著作に該当する場合とは以下の4要件をすべて満たす場合をいいます。

 ①法人等の発意に基づき、

 ②法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物で、

 ③法人等が自己の著作の名義の下に公表するもので、

 ④作成時に契約、勤務規則その他の別段の定めがない場合


 上記の4要件のうち一つでも要件に当てはまらないものがあれば、職務著作とはなりません。


 そこで、上記の①につきましては、メーカーから依頼がされていますので、法人等の発意に基づくと思われます。


 ②につきましては、判断が難しいところですが、従業者ではなく、委託契約の受任者や請負契約の請負人も「法人等の業務に従事する者」となる可能性があります。

 本事案と似たような状況における判例としまして「ラストメッセージin最終号事件」という東京地裁(H7.12.18)の判例があります。それによりますと外部のフリーランサーも職務に従事する者とされ、「法人等の業務に従事する者とは、法人と被用者との間に著作物の作成に関する指揮命令関係があり、法人に当該著作権全体を原始的に帰属させることを当然の前提にしているような関係にあると認められる場合をも含む」と述べられています。

 また最高裁の判例である「アール・ジー・ビー・アドベンチャー事件」(H15.4.11)では外国人デザイナーが法人等の業務に従事する者に該当するか否かについて「法人等の指揮監督下において労務を提供するという実態にあり、法人等がその者に支払う金銭が労務提供の対価であると評価できるかどうかを業務形態、指揮監督の有無、対価の額等に関する具体的事情を総合的に考慮し判断すべきである。」と判示して、従業員に該当すると判断されています。

 従いまして、質問者様が、「業務に従事する者」に該当する可能性が高いと推測されます。


 ③につきましては、作成した従業者ではなく法人等が著作者として表示されて公表する場合です。また、現に公表しなくても、公表するとすれば法人等の名義で公表すると思われるものも、該当します。そのため、本事案におきましても、この要件を満たすと判断される可能性があります。


 ④につきましては、ロゴデザインの作成時点において、契約等によって法人等であるメーカーではなく、創作者である質問者様を著作者とする定めがあれば、その契約等を優先するというものです。そのため、このような定めがない場合は法人著作の要件を満たすことになります。


 そのため、作成する前には、メーカーと「著作者を質問者様とする」契約を結んでおけば、④の条件は満たさないので、例えその他の①~③の要件を満たしていたとしても「職務著作」とはなりません。

JustAnswer メディア掲載:

 
 
 
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