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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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経験:  特に特許法、実用新案法、意匠法、商標法、パリ条約に精通しています。
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東京で飲食店を6店舗経営していて、店舗名は商標登録しています。先日、全く同じ業種、店名の店舗を石川県で見つけました。

解決済みの質問:

東京で飲食店を6店舗経営していて、店舗名は商標登録しています。先日、全く同じ業種、店名の店舗を石川県で見つけました。ホットペッパーと言うインターネット広告で、当社と同様の 広告を利用していて、当社より検索順が上位にあったので、ホットペッパーと言う会社に、その件を伝えると、当事者の問題と言う事でした。 まず、商標を侵害している店舗にどの程度(損害額)、損害賠償請求できるものなのでしょうか? 次に、裁判費用はどれほどかかるものなのでしょうか?

投稿: 4 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 4 年 前.
知的財産権を専門とする弁理士です。

1.損害額について

 損害賠償については「逸失利益」の補填ということになります。これは、増加すべき利益が不法行為によって増加しなくなったことによる損害又は侵害行為により市場における潜在的顧客を奪われたことによって失った利益をいいます。

 通常は、原告が、損害額を立証することになります。

 しかし無体財貨である商標権侵害による損害額の算出は非常に困難であることに鑑み、商標法38条において損害額の推定規定を設けており、その規定に基づいて損害額が算出されることになると思われます。(もちろん、自己が受けた損害額を一般原則により証明する方が容易な場合は、推定規定を適用する必要はありません。)


 商標法38によりますと、

 ①質問者様が販売した 数量にその商品の単位数量あたりの利益額を乗じて得た額を算出し、そこから質問者様の販売数量の全部または一部に相当する数量を商標権者が販売することができない事情が存在するときは、その販売できないとする数量に応じた額を控除し、さらに商標権者の使用の能力に応じた額を超えない限度において認められるた額を損害額とします(同条1項)。

 なお、販売することができない事情とは、侵害者の広告宣伝活動による販売量の増加、権利者との地域的不競合、他の競合製品の存在などにより、侵害者の販売数量がそのまま商標権者の販売数量とはならず、もっと少ない数量になるであろうということです。

 また、商標権者の使用の能力に応じた額を超えない限度とは、商標権者側の商品の製造販売体制の能力をいいます。商品の販売予定はあっても、自社工場や製造委託先の工場の規模等に鑑み、主張額に相応する売上げを達成することが不可能である場合には、推定額は販売可能な限度にまで縮減されるということです。

 ②被告の侵害行為による利益額を商標権者の損害額と推定する場合(同条2項)、これは、商標が付された商品が販売される市場には侵害品のほかにも代替品が存在する等、様々な要因が存在するため、侵害と損害との因果関係の厳密な立証は極めて困難である場合に適用されます。この規定は商標権者等が侵害者の利益額を立証した場合に適用されることとなります。

 ③上述した方法の算定が困難である場合には、使用料相当額を損害額とします(同条3項)。これは、ライセンス契約を締結した場合に支払われる額を損害額とするものです。この規定は、侵害行為が立証された場合には、現実に発生している損害額が明らかにされ得ない場合でも、他人の使用行為に相応する損害が発生しているはずであるから、38条1項・2項により損害額を立証する代わりに商標権者等に最低限、使用料相当額に相当する額の損害の発生があったことを推認するものです。


 通常は、これらの算定方法による損害額を複数請求する場合が多いです。

 なお、裁判所は、被告に故意や重大な過失がないなどの事情が存在する場合には、それを参酌して損害額を減額したりすることもあります(同条4項)。

2.訴訟費用について

 具体的にいくらかかるということを申し上げることはできませんが、一般的に訴訟費用には、訴えを提起する場合の手数料、書類の作成費用、送付費用、当事者及び代理人の旅費や日当、証人の旅費や日当、それから鑑定費用などがあります。

 訴え提起の手数料は、訴額である請求額をにより変わってきます。「裁判所ウェブサイト」の手数料額早見表などが参考になると思われます。

 旅費や日当は、住所地から裁判所までの距離や出頭回数によって計算します。

 判決では、いくら支払えといった判決と、訴訟費用負担の判決がされます。訴訟費用は原則敗訴者負担ですが、請求が一部認容なら当事者双方に按分して負担を命じたり、請求棄却なら原告に全て負担を命じる場合もあります。

 いずれにしましても、判決段階では負担者と負担割合しか定めず、具体的な負担額を定め、負担者に支払わせるためには、判決確定後、当事者が訴訟費用額確定処分の申立てをしなければなりません。これを受けて裁判所書記官が計算をし、処分をします。

 ちなみに訴額が60万円なら、訴え提起手数料は6000円です。それに切手(又はその分のお金)を数千円納めることになります。

 弁護士費用は訴額費用には入りませんから、勝訴したからといって当然に敗訴者に負担させられるものではありません。

 また、訴訟の中で損害計算のための鑑定などをやれば、訴訟費用が数十万となることはあります。

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専門家:  patent777 返答済み 4 年 前.

サイトの運営者も商標権侵害の主体となりうる場合がある、という判例がありますので、参考までに、記載します。なお、下記の判例(知高判平24.2.14〔チュッパチャプス事件(仮称)〕)が本事案に妥当するかは、訴訟をしてみなければ何ともいえないということをご了承ください。

〔事実の概要〕


原告Xは、「chupa chups」をデザイン化した文字及び図形から成る標章について商標権を有している。被告Yは、「楽天市場」という名称でインターネットショッピングモールを運営する株式会社である。「楽天市場」では、出店者の各々が出店 ページを公開し、当該ページ上の「店舗」で商品展示・販売しているが、この複数の出店ページにおいて、本件登録商標と同一又は類似の標章が付された本件各商品の写真が販売のため展示されていた。Xが、本件各商品はXに無許諾で製造されたものであり、本件各商品の譲渡及び譲渡のための展示行為が、本件商標権を侵害するとともに、不正競争防止法2条1項1号又は2号の不正競争行為にあたるとして、Yに対し、本件各商品の譲渡等の差止め及び損害賠償を請求したのが本件である。


〔高裁の判旨〕


「ウェブページの運営者が、単に出店者によるウェブページの開設のための環境等を整備するにとどまらず、運営システムの提供・出店社からの出店申込みの許否・出店社へのサービスの一時停止や出店停止等の管理・支配を行い、出店者からの基本出店料やシステム利用料の受領等の利益を受けている者であって、その者が出店者による商標権侵害があることを知ったとき又は知ることができたと認めるに足りる相当の理由があるに至ったときは、その後の合理的期間内に侵害内容のウェブページからの削除がなされない限り、上記期間経過後から商標権者はウェブページの運営者に対し、商標権侵害を理由に、出店者に対するのと同様の差止請求と損害賠償請求をすることができると解するのが相当である。けだし、⑴本件におけるYサイト(楽天市場)のように、ウェブページを利用して多くの出店者からインターネットショッピングをすることができる販売方法は、販 売者・購入者の双方にとって便利であり、社会的にも有益な方法である上、ウェブページに表示される商品の多くは、第三者の商標権を侵害するものではないから、本件のような商品の販売方法は、基本的には商標権侵害を惹起する危険は少ないものであること、⑵仮に出店者によるウェブページ上の出品が既存の商標権の内容と抵触する可能性があるものであったとしても、出店者が先使用権者であったり、商標権者から使用許諾を受けていたり、並行輸入品であったりすること等もあり得ることから、上記出品がなされたからといって、ウェブページの運営者が直ちに商標権侵害の蓋然性が高いと認識すべきとはいえないこと、⑶しかし、商標権を侵害する行為は商標法違反として刑罰法規にも触れる犯罪行為であり、ウェブページの運営者であっても、出店者による出品が第三者の商標権を侵害するものであることを具体的に認識、認容するに至ったときは、同法違反の幇助犯となる可能性があること、⑷ウェブページの運営者は、出店者との間で出店契約を締結していて、上記ウェブページの運営により、出店料やシステム利用料という営業上の利益を得ているものであること、⑸さらにウェブページの運営者は、商標権侵害行為の存在を認識できたときは、出店者との契約により、コンテンツの削除、出店停止等の結果回避措置を執ることができること等の事情があり、これらを併せ考えれば、ウェブページの運営者は、商標権者等から商標法違反の指摘を受けたときは、出店者に対しその意見を聴くなどして、その侵害の有無を速やかに調査すべきであり、これを履行している限りは、商標権侵害を理由として差止めや損害賠償の責任を負うことはないが、これを怠ったときは、出店社と同様、これらの責任を負うものと解されるからである。」


「侵害者が商標法2条3項に規定する『使用』をしている場合に限らず、社会的・経済的な観点から行為の主体を検討することも可能というべきであり、商標法が、間接侵害に関する上記明文規定(同法37条)を置いているからといって、商標権侵害となるのは上記明文規定に該当する場合に限られるとまで解する必要はないというべきである。」Yは、本件商標権侵害行為を知った日から8日以内という合理的期間内にこれを是正したと認めるのが相当である。

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