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yo-shi
yo-shi, 一級知的財産管理技能士(コンテンツ専門業務)
カテゴリ: 特許・商標・著作権
満足したユーザー: 235
経験:  中央大学法学部・文学部卒業。出版社にて校正・編集業務に10年以上従事。書籍の著作権問題に詳しい。
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数年前に自社のWEBサイトをA社(制作会社)に依頼して制作をしました。 内容の改変に伴い、WEBサイト修正を別の制

質問者の質問

数年前に自社のWEBサイトをA社(制作会社)に依頼して制作をしました。
内容の改変に伴い、WEBサイト修正を別の制作会社B社に依頼したところ、著作権侵害があるとして「著作権料」を請求されてしまいました。
しかしながら、すでに納品されているWEBサイトを修正するだけで、そのデザインや写真、文章などを他媒体に転用したわけでもないので、著作権侵害にならないと思っていましたが、いかがなものでしょうか?
投稿: 4 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  yo-shi 返答済み 4 年 前.
ご質問を承りました。

これは非常に難しい問題です。
著作権のトラブルとは、著作者と利用者の意識の食い違いから起こることが多いのですが、ご質問の例もその典型的なケースです。

著作権法では、「著 作者」=「著作物を創作する者をいう」(2条1項2号)と定められています。
この著作者が、まず著作権を取得します。
そして譲渡したり、著作者が死亡したりすることで、著作権は移転することがあります。

まずこの原則に則って、考えてみます。
ご質問のケースですと、WEBサイトを「創作した者」は、A社です。
従いまして、WEBサイトの著作権は、A社にあることになります。
そして、A社から質問者様の会社(以下、自社)に、対価の支払いと引き替えに、このWEBサイトを使ってもいいよ、と許諾されたというのが、著作権法の原則から導き出される形となります。

ただ、お金を出して発注したのに、自社に著作権がない、というのも、納得しかねるものがあります。
そこで著作権法では、職務著作(法人著作)という規定を設けています(15条)。

これは、例えば会社で業務上作成した資料の著作権が、会社の指示で作ったにもかかわらず社員個人に帰属してしまい会社が使えない、となると不都合甚だしいため、一定の場合に原則から離れて、著作権が会社のものとなる、という規定です。

文化庁から発行されている、『著作権テキスト』では、以下のように解説されています。
参照元  http://www.bunka.go.jp/chosakuken/text/pdf/h24_text.pdf
一部省略のうえ、引用いたします 。
=======================
(11ページより)
著作者になり得るのは,通常,実際の創作活動を行う自然人たる個人ですが,創作
活動を行う個人以外が著作者となる場合が法律により定められています。例えば,新
聞記者によって書かれた新聞記事や,公務員によって作成された各種の報告書などの
ように,会社や国の職員などによって著作物が創作された場合などは,その職員が著
作者となるのではなく,会社や国が著作者となる場合があります。
しかし,会社や国の職員などが創作した著作物のすべてについて,会社や国などが
著作者になるわけではありません。
次に掲げる要件をすべて満たす場合に限り,会社や国などが著作者になります。

法人著作の要件
(a) その著作物をつくる「企画」を立てるのが法人その他の「使用者」(例えば,国や会社など。以下「法人等」という) であること
(b) 法人等の「業務に従事する者」が創作すること
(c)「職務上」の行為として創作されること
(d)「公表」する場合に「法人等の著作名義」で公表されるものであること
(e)「契約や就業規則」に「職員を著作者とする」という定めがないこと
=======================
この(a) ~(e) に、すべて該当した場合に限り、作成資料は会社のものとなります。
逆に言えば、一つでも該当しなければ、作成資料の著作権は作成者個人に帰属します。

質問者様のケースで考えますと、
(a) ~(e) の要件に、すべて該当すれば、WEBサイトの著作権は自社に帰属します。
では、個別に検討してみます。

(a)
企画を立てたのが自社である、ということは比較的容易だと思います。
→該当する

(b)
「業務に従事する者」とは、2とおり考えられます。
・自社とA社が雇用関係にある……ちょっと厳しいと思います。
・A社が自社の指揮監督下において労務を提供するという実態にあり、自社がA社に対して支払う金銭が労務提供の対価であると評価できるかどうかを、業務態様、指揮監督の有 無、対価の額及び支払方法等に関する具体的事情を総合的に考慮して、判断する
(参考:最高裁平成15年4月11日判決「RGBアドベンチャー事件」)
……自社が、どこまでサイト制作の現場に関わっていたかによって、左右されます。
→該当するかどうかは微妙

(c)
A社は自社からの仕事で受けている
→該当する

(d)
公表名義は自社になっているはず
(「制作:A社」等の表示はない)
→該当する

(e)
A社と自社の契約書に、著作権者に関わる定めがあれば、それに従う。
定めがなければ、自社になりうる。
→契約次第で該当する。


こう考えますと、(b) が最も問題になります。
そして(b) が該当するというためには、A社の制作スタッフにおいて、制作上の細かい作業方法などの上司が実質的に自社である、といえるほどに、自社の関わりが強くないといけないと思われます。

以上のことから、職務著作として自社が著作権者と認定されるのは、残念ながらかなり厳しい状況と言わざるを得ません。
そもそも職務著作は、実際にはA社の「社員」が作ったWEBサイトの著作権を、社員個人ではなくA社自体に帰属させるための規定です。


自社の主張としてもう1つ考えられるのは、A社は自社の手足として動いただけで、実質的な制作者は自社である、というものです。
一般的には自社からA社に制作を委託し、自社は納入を待つという立場でしょう から、この考えを通すことも厳しいことが多いです。


以上の検討から、一般論から言うと、WEBサイトの著作権はA社にあると考えられます。
そうすると、A社の許諾なくWEBサイトを改変することは、著作権(翻案権・27条)の侵害となってしまうのです。

WEBサイトの所有権は自社にありますので、自社が使うことは自由です。
ただし、コピーや改変する権利は、A社に帰属したままなのです。
(ちなみに絵画を購入したとしても、著作権は作家にあるままですので、購入者は勝手にコピーしたり改変することはできません)


ご質問のようなケースは、よくある事件ですので、A社への発注時に契約で定めておくことが必要になります。
「納品時に、著作権はA社から自社に譲渡する」という規定があれば、今回のような問題は原則として起こりません。

今後の対処としては、WEBサイトの修正をB社に依頼することに対し、A社の許諾が必要になりますので、交渉していくこととなるでしょう。
もしくは、A社自身が修正するのなら、著作権の問題は発生しません。
そして、今後の契約には、著作権の帰属についての条項に注意することが必要になるでしょう。


残念な結論になってしまいますが、著作権についてのお答えは、以上となります。
ハッキリしない点、ご不明な点がございましたら、お尋ねくださいませ。

==============================
書籍の著作権問題には特に精通しています。「著作権は怖いモノ」という意識が少しでも軽くなるお手伝いができれば、と思います。
ご質問の解決につながりましたら、評価を入力していただきますよう、お願いいたします。
質問者: 返答済み 4 年 前.


ありがとうございます。


 


ただWEBサイトという特質からして、納品後にも手をいれていく必要があります。


今後、まったく別の新たなページを追加したい場合も、A社に頼まないと一切手をふれることもできないのでしょうか?


(たとえば、新着情報やニュースなどの追加)


絵画や写真などを修正したり、別の媒体に複製したりするのは問題だと思いますが、WEBサイトの場合は少し意味合いが違うのではないでしょうか?


 


また、納品時に制作会社(A社)が、copyright(c)を弊社名でWEBサイト最下部に表記しております。


これは著作権を譲渡したということにつながらないのでしょうか?


 


最後に著作権料というのは、どのように算出されるのでしょうか?


相手の言い値ですか??

専門家:  yo-shi 返答済み 4 年 前.

おっしゃるとおり、WEBサイトは、納品後のメンテナンスが不可欠です。

その場合は、制作会社(ご質問のケースではA社)に依頼して修正することが多いと思います。
ただ、A社と話し合いの上で、自社で修正することもありえます。
自社以外の他社(B社)に修正作業をやらせるとなると、簡単にOKとは言わないでしょう。
A社とB社は競合関係にありますので。
(自分の経験上、当初は保守料金を支払って開発元に修正してもらっていましたが、話し合いの末、保守を外して、修正はすべて自分で行うようにしたケースもあります)

また、A社の著作権が生じる範囲は、あくまでA社が創作した部分についてのみです。
たとえば、ニュースのコーナーが元々あって、そこに新規の記事を追加する場合は、記事自体は自社の著作物となります。
ただし、別のコーナーを新たに追加する場合は、サイト全体の構成に影響するような大きな変更なら、A社の許諾が必要になります。
新着情報は、おそらく現時点でそういうコーナーがあるでしょうから、そこに当然入るべき情報を追記していくのは、A社の許諾は不要です。

自社とA社の力関係が分からないのですが、自社が発注先、A社が委託元ですので、自社が強いことが多いのではないでしょうか。
もしそうなら、A社に対し、著作権を譲渡するように交渉するか、自社もしくは他社(例えばB社)が修正をすることを認めさせることができればよいのですが。
A社が認めさえすればいいのです。
(無断でやることだけが問題です)

それから、WEBサイト下部によく表示されている
「copyright(c)」云々ですが、実は法的な意味はほとんどありません。
「著作権はここが持っていますよ」という目印として、他人がその著作物を使いたいと思った時の交渉窓口を示す、という程度です。
しかし、本当に著作権を持っているかどうかは、別問題なのです。
あくまで慣行に過ぎないとお考えください。

著作権の譲渡があったかどうかは、契約(書面に限らず、口頭でもかまいません)によって決まります。
自社とA社の間に、「著作権を譲渡する」という明確な取り決めや、客観的に見て当然そのように考えられる状況がなければ、譲渡したとは認められません。

最後に、著作権料は、決まったものはないのですが、大体の相場があります。
こればかりはケースバイケースですので、ここでお示しすることはできませんが、著作権譲渡を前提にWEBサイト制作を依頼した場合、若干高価になることがあるようです。
(ただ、委託と譲渡とで値段が変わらない場合もあります)

A社が、貴社のサイトにどのような価値を感じているか、によって決まるでしょう。


結論としましては、A社との交渉次第、ということになってしまいます。
事前に契約で決めておけば、自社で著作権を持つことも可能なのですが、決めていない場合は著作権法が適用され、そうするとA社が著作権者になります。

A社との交渉によってまとめられるとよいのですが。

yo-shiをはじめその他名の特許・商標・著作権カテゴリの専門家が質問受付中
専門家:  yo-shi 返答済み 4 年 前.
評価を頂きまして、ありがとうございました。
日本では契約に対する意識がまだ弱いのですが、今後は、何をするにもまず契約書を交わしてから、という流れが重要になってくると思います。
懸案を最初に話し合っておくことで、事後に発生するトラブルを予防でき、お互いの気持ちも深く理解できますので。
ただ、トラブルが起こった後でも、裁判になったわけではないでしょうから、話し合いで解決できる段階だと思います。
解決を心より応援しております。
またお困りのことがございましたら、ご質問くださいませ。

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