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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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国内での新規事業の立上げ(英語教室)に伴い、希望する屋号を使用してもさしつかえないかどうかを知りたいと考えています。

解決済みの質問:

国内での新規事業の立上げ(英語教室)に伴い、希望する屋号を使用してもさしつかえないかどうかを知りたいと考えています。
特許電子図書館の呼称検索(http://www1.ipdl.inpit.go.jp/syouko/TM_AREA_B.cgi?1361337563986)にて、希望する屋号(3単語の組み合わせ、カタカナと英語)を区分を指定せずに検索したところ、3単語の組み合わせの うち2単語の組み合わせがすでに登録されていることがわかりました。区分(第41類)を指定して3単語の組み合わせを検索したところ、検索結果はゼロでした。
希望する屋号で商標登録することは可能なのでしょうか?また、もし当社が3単語の組み合わせを商標登録なしに使用したら、2単語で登録している会社から訴えられるなどのリスクはありますか?
なお、希望する屋号を構成する3単語は、一般的な名詞だと思います。
投稿: 4 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 4 年 前.

 知的財産権を専門とする弁理士です。

 (1)まず初めに、商標は、文字、図形、記号、立体的形状もしくはこれらの結合又はこれらと色彩の結合(「標章」という)であって、業として使用するものをいいます(商標法(以下「商」とします)2条1項)。

 そのため、商標の構成要素としては、ご質問にありますように3単語の組合せでも構いません。要するに、「におい」、「音」、「色彩のみ」、「動的なもの」などは、商標の構成要素にはできないということです。

 そのため、3単語の組み合わせからなる商標(以下「甲商標」とします)は、カタカナと英語の組み合わせのようですので、構成上は問題はございません。

 (2)次にその甲商標が、自他商品役務識別力を有することが必要となります(商3条)。

 すなわち、普通名称、慣用商標、記述的商標(指定役務の提供場所・質・提供の用に供する物・効能・用途・数量・態様・価格・提供方法・時期など)、おりふれた名称、極めて簡単な標章などを、普通の方法で表示するような商標は、識別力がないものとして登録できません。

 自動車の「TOYOTA」などは、本来ありふれた名称で識別力がないため登録できませんが、そのような商標であっても、継続して使用をした結果、全国的なレベルでの識別力が生じたと判断される場合には、登録されます(商3条2項)。

 それと、特殊な表現態様である場合や識別力のある文字や図形等との結合の場合にも識別力があると認められます。

 そのため、甲商標がその指定役務となる「英語の教授」との関係で、上述した自他商品役務識別力のない商標でないことが必要となります。

 例えば「English lesson ○○○」のようなもであれば、指定役務の普通名称となり、「サマーシーズン BEST lesson」(時期と普通名称の結合)などを普通の態様で表示するのみであれば、識別力がなく登録されません。

 3単語であれば、識別力がないと判断され可能性は少ないと思われます。これはあくまで指定商品・役務との関係で判断されます。商標「apple」を指定商品「りんご」に使用すれば、普通名称となるため識別力はありませんが、これを「パソコンなどの電子機器」に使用してもその商品の普通名称とはいえず、識別力が認められるということです。

 実際に質問者様の商標を見てみない限り、登録の可否については断定的なことは申し上げられません。

 (3)仮に甲商標に識別力が認められるとした場合、商標法3条以外の登録要件も満たす必要があります(商15条)。

 特にご質問内容に絞ってご説明しますと、質問者様が出願なされようとしている甲商標及び指定役務が、既に登録されている他人の商標と同一又は類似であって、その指定商品もしくは指定役務も同一又は類似であれば、その出願は拒絶されます(商4条1項11号)。

 甲商標と同一の2単語からなる商標(以下「乙商標」とします)が存在するとのことですが、指定商品・役務が非類似であれば乙商標を引用されて質問者様の出願が拒絶されることはございません。

 なお、商品同士、役務同士のみならず、商品と役務が類似する場合もありえます(商2条6項)ので、ご注意ください。例えば、商品「ラーメン」と役務「ラーメンの提供(ラーメン屋の営業)」のような場合です。

 (4)指定商品・役務が類似する場合には、甲商標と乙商標が非類似か否かによって、登録の可否が分かれます。

 類似判断は、審査段階と登録後の侵害の場面とで若干異なるようです。そこで、まず、審査段階では、構成態様を重視して、その「外観」、「称呼」、「観念」に基づいて判断するのが原則となります。れら三つのうちいずれか一以上で類似する場合には、原則として類似商標と判断されます。これはあくまでも「原則」です。

 この点、甲商標は3単語で乙商標は2単語ですので、上記3要素とも異なり、原則は非類似となります。

 ただし、2以上の単語が組み合わされた商標はいわゆる結合商標と称して、さらに別の審査基準が定められています。すなわち、結合商標の結合状態において、

①構成上一体的でない場合
②全体の構成から一定の外観、称呼又は観念が生じない場合

③自他商品役務識別力を有する部分とそうでない部分がある場合

④一部に特に需要者に印象付ける部分がある場合

⑤淀みなく一連に称呼し得ない場合


 などのような結合商標は自他商品役務識別力を有する構成の一部(要部)を分離ないし抽出して、その部分より生ずる外観、称呼又は観念により類否判断が行われます。

 例えば、以下のような場合は類似と判断される可能性が高いです。

・「スーパーライオン」と「ライオン」

・「銀座小判」と「小判」

・「鶴亀 万寿」(文字間にスペースがある)と「鶴亀」又は「万寿」

・「サンムーン」(「サン」が大きく「ムーン」が小さい)と「サン」又は「ムーン」

・「chrysanthemumbluesky」(構成文字が多い)と「クリサンマシム」又は「ブルースカイ」又は「青空」(実際の取引きにおいてはその一部が省略されるときも少なくない)

・「パンダロイヤル」と「パンダ」(一部を構成する語が他の構成する語と比較して特に顕著である)

などのように、一部が分離して判断される傾向にあります。

 もっとも、全体で一つの観念が生じる場合などには結合商標であっても、分離判断なされません。

 例えば「ホワイトクリスマス」は「ホワイト」又は「クリスマス」と類似するとはなりません。

 また、「小僧ずし」も「小僧」又は「寿司」と類似するといった分離判断はされません。全体として著名であるためです。

 基本的には、以上のように類否判断がなされます。

 そのため、3単語から成る甲商標には2単語から成る乙商標を含んでいるわけですので、上述した基準のように、構成上一体でないといったような場合には、分離観察がなされ、類似と判断される可能性があります。

 甲商標が全体として一定の観念が生ずるとか、異なる1単語に識別力がある、すなわち要部となる、といった場合には、非類似と判断される可能性もあります。これはケースバイケースです。

 (5)甲商標を登録なしに使用した場合、乙商標と類似と判断され、訴えられるリスクはあると思われます。

 先ほど、審査段階と侵害場面では類否判断が多少異なると申しましたが、その意味するところは、審査段階は、基本的には上述しましたように、構成態様を基礎として判断するのが原則です。

 これに対しまして、侵害場面では、同様に構成態様から判断もしますが、さらに取引の実情など、具体的に出所混同が生じるか否かといった観点も重要となります。

 例えば、構成上は類似していても、営業地域が遠く離れていて、その地域の需要者は出所混同を起こさない場合、乙商標は登録されているが、全く使用しておらず、乙商標に保護すべき信用が付いているとは認められない場合、甲商標が全体として一定の観念が生じ、分離観察するのが不適当な場合(これは構成態様上の観点ですが)、甲商標が使用された結果、周知ないし著名となり、識別力が生じている場合、などには、構成上は類似していても、出所混同を生じないとして、侵害にならない場合があります。

 そうでない限り、やはり訴えられるリスクはあると考えたほうがよいと思われます。

 また、甲商標が著名となった場合、中国のように他人が先に甲商標を出願して商標権を取得するといったようなことも起こらないとも限りません。

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質問者: 返答済み 4 年 前.

迅速かつ専門的な回答を有難うございます。


商標について知識ゼロですので、理解するのに少し時間がかかりましたが、基本的なことから説明していただき助かりました。


 


仮定の話として追加で質問させてください。


 


当方が希望する3単語の組合せを「OKカスタム英語教室」とし、「Custom English」という商標が41類で登録されていると仮定します。


 


この場合、当方が希望する屋号は「Custom English」を侵害するとみなされますか。また、当方は商標登録できる見込みがあると考えられますか。


 


 


 

専門家:  patent777 返答済み 4 年 前.

 (1)まず、「Custom English」との関係における登録の可否についてご説明いたします。

 審査基準の類否判断の原則である「外観」、「称呼」、「観念」の3要素を基準に「OKカスタム英語教室」(以下「甲商標」とします)と「Custom English」(以下「乙商標」とします)を対比しますと、いずれも大きく相違し、類似しないといえます。

 また、甲商標は、全体で何か特別な観念が生じるとは思えません。単語の種類もアルファベット、カタカナ、漢字の組み合わせであって、構成上一体とはいい難いので、おそらく、前述しましたように分離観察されると思われます。

 一方、乙商標においても全体で何か特別な観念が生じるとは思えません?また、乙商標が全体として周知・著名であるのなら別ですが、そうでないのであれば乙商標も分離観察されると考えられます。

 そうしますと、甲商標を構成する単語のうち「カスタム」と、乙商標を構成する単語のうち「Custom」の称呼及び観念(習慣、料金、税、顧客など)が共通し、その他の単語は共通しません。

 このような場合、先述しましたように構成要素の一部である「カスタム」と「Custom」の称呼と観念が共通しているため、商標全体が類似するという判断はされないと思われます。

 なぜなら甲商標と乙商標の外観が著しく異なるからです。

 ここに最も有名で類否判断の基礎となる最高裁の判例「氷山印事件」(昭43.2.27)を例に挙げます。

 「商標の類否は、対比される両商標が同一または類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、称呼、観念等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかもその商品の取引の実情を明らかにしうる限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのを相当とする。・・・。」

 「商標の外観、称呼または観念の類似は、その商標を使用した商品につき出所の誤認混同のおそれを推測させる一応の基準にすぎず、従って、右3点のうちその一において類似するものでも、他の2点において著しく相違することその他取引の実情等によって、なんら商品の出所に誤認混同をきたすおそれの認めがたいものについては、これを類似商標と解すべきではない。」

 この判例にいうように「カスタム」と「Custom」が共通してもその他の点、特に一番需要者に強い印象を与える「外観」において著しく異なっているため、両商標は非類似と判断されると思われます。

 したがって、乙商標を引例として拒絶されることはないと考えられます。

 (2)そのため、侵害の場面におきましても、需要者が出所混同を生じずる事情があれば別ですが、そのような事情がない限り構成態様のみから判断すると、甲商標を使用しても乙商標の侵害になるとは思われません。

 例えば、乙商標のうち甲商標と共通する「Custom」が極めて著名であるというような事情があれば別ですが、そのような事情もないようですので、侵害を構成しないと思われます。

 以上が私の見解です。

質問者: 返答済み 4 年 前.

patent777様


 


回答をありがとうございました。


参考にさせていただきます。

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