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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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経験:  特に特許法、実用新案法、意匠法、商標法、パリ条約に精通しています。
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海外のユーザーに対して、日本のアイドルに関する情報を発信するネットメディアを運営しています。内容は、AKB48などの

解決済みの質問:

海外のユーザーに対して、日本のアイドルに関する情報を発信するネットメディアを運営しています。内容は、AKB48などのアイドルに関するニュースや、メンバーのGoogle+での投稿を紹介するものです。

紹介の仕方として、紹介する記事に関係する写真(例えばメンバーの投稿であれば、メンバーがアップした写真を運営するメディアにもアップして、解説文として、英語にて●●ちゃんが ●●という投稿をしているよ!といった内容を投稿しています。)

投稿する際には、紹介元のURLを全て記載しています。また、当ネットメディアでは、収益を全く得ていない状態です。

ただ、写真を再アップロードする際に、アイドルグループメンバーの肖像権を侵害しているのではないか、また、AKB48などの固有名詞を使用した時点で、何らかの権利を侵害しているのではないかと、悩んでおります。

海外の4万人以上のユーザーが運営するメディアを閲覧しています。
規模も規模なので、今一度権利関係を見直したいと思っています。
ご教授お願い致します。
投稿: 4 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 4 年 前.

 知的財産権を専門とする弁理士です。

 肖像権には、プライバシー権とパブリシティ権があります。


 本事案のように商業目的のためにWEBサイトでの利用を考えている場合には、撮影する時点におきまして許諾を求めるのが最善です。

 ただし、肖像権は何でもかんでも主張できるものではありません。


 そもそも我が国では、肖像権につきましては、特許権や著作権のような明文規定は存在しません。


 プライバシー権について、強いて法律上の根拠を挙げるとすれば、憲法13条の幸福追求権に含まれるものとして、1964年の「宴のあと事件」以来、プライバシー権が社会通念となり、個人の肖像もその対象と考えられるようになったという経緯でできた権利です。


 そのため、著作権の様に自己の顔や肖像に複製権があるというようなものではなく、その肖像写真の公開によって、秘匿すべき私生活(プライバシー)を暴露されないという権利です。そして、その延長線上に、通常のマナーに反する方法で撮影されたり、描かれたりすることを拒否する権利も含まれていると考えられています。


 このため、自分の家の中にいるところを盗み撮りされたり、公開の場でも付きまとって撮られたり、誰が見ても不名誉と思われるような私生活上の写真を公開されるのを拒否する権利といえますが、一般の風景や情景の一部として自分が撮られることまで拒否できないと考えられています。

 今回のケースで考えてみますと、アイドルなどの著名人は、その著名性ゆえに、よほど不名誉と思われるような写真でない限り、一般人に比べてプライバシー権を主張することは難しく、ましてや自ら投稿した写真を使用されたからといって、公序良俗に反したり、名誉毀損に当たるような使われ方をしない限り、プライバシー権の侵害とはなりません。


 一方、パブリシティ権については、これまでの判例を積み重ねて認められてきた権利です。そういう意味では実定法上の権利である特許権や著作権などのような純然たる知的財産権とは異なります。

 パブリシティ権が実定法上の権利でないため、その内容がどのようなものであるかについては、裁判例において「著名人の氏名、肖像等が持つ顧客吸引力について、当該著名人の獲得した名声、社会的評価、知名度等から生ずる独立した経済的利益ないし価値として把握し、当該著名人がかかる顧客吸引力の持つ経済的価値を排他的に支配する財産的権利」と判示されています(東高平3.9.26、東地平12.2.29)。


 ようするにプライバシー権としての肖像権が自らの肖像を人にみだりに使用されないことを内容とするものであるのに対し、パブリシティ権としての肖像権は、自らの肖像に化体した「顧客吸引力」を利用して経済的利益を上げ、また第三者にそれを利用させて経済的利益を獲得するものです。


 このようにパブリシティ権は財産的な性格を有しますが、実定法上の権利ではないため、その侵害の判断に当たっては、明確な基準は存在しておらず、従来の裁判例から推測するしかありません。


 以下に従来の裁判例を示します。


 1.主体→どのような人物がパブリシティ権を有するのか?


 パブリシティ権は、上述しましたように「顧客吸引力」を利用して経済的な利益を上げるものですから、この「顧客吸引力」を持っている人物がパブリシティ権を有することになります。従来の判例では「パブリシティ権とは、歌手、タレント等の芸能人が、その 氏名、肖像から生ずる顧客吸引力のもつ経済的利益ないし価値に対して有する排他的財産権であると解される。

 このような権利が認められる根拠は、芸能人の特殊性、すなわち、大衆に広くその氏名、肖像等を知らしめて人気を博することにより、氏名、肖像自体に顧客吸引力を持たせ、それをコントロールすることによって経済的利益を得るという点にあると考えられるー土井晩翠事件~横浜地平4.6.4」として、詩人のパブリシティ権を否定したものがあります。


 このため、本事案におけるAKB48のようなアイドルにはパブリシティ権が存在することになります。そしてパブリシティ権を有する場合には、以下に述べる侵害判断が必要となります。


 2.権利侵害の判断


 従来の裁判例におきましては、次のような基準がしばしば見られます。「他人の氏名、肖像等を使用する目的、方法及び態様を全体的かつ客観的に考察して、右使用が他人の氏名、肖像等の持つ顧客吸引力に着目し、『専ら』その利用を目的とするであるかどうかにより判断すべき」という基準です。(中田英寿事件~東地平12.2.29、ブブカスペシャル7事件~東地平16.7.14、キング・クリムゾン事件~東高平11.2.24、ぺ・ヨンジュ事件~東地平22.10.21)


 この基準は、「著名人の顧客吸引力にタダ乗りしている性質の商品であるか否か」という判断基準を示していると言えます。また『専ら』これを利用することを目的とするか否かの判断につきましては、程度の問題ですが、明文上の根拠もない財産的な権利であるパブリシティ権に、顧客吸引力の無断利用を理由として、言論や出版の制約を安易に認めるわけにはいかず、一般には安易に『専ら』と認定されることはないようです。


 例えば、ブロマイドのような典型的な商品化のケースであれば、芸 能人の顧客吸引力を専ら利用することを目的としているものであるといえるので、パブリシティ権の侵害と言えますが、ある芸能人等の氏名や肖像を掲載した書籍については、パブリシティ権を保護すべき要請がある一方で、著者が有する表現の自由、言論の自由、出版の自由を確保する必要もあります。そのため、書籍出版に関する従来の裁判例においては、パブリシティ権の侵害を否定した判決が少なくありません(キング・クリムゾン、中田英寿事件、ピンクレディdeダイエット事件)。


 このような裁判例から、推察しますと、本事案において、写真の利用については、「形式的」にはパブリシティ権に触れる可能性がなきにしもあらずといったところですが、固有名詞の使用に関しましては問題はないと思われます。

 また、写真につきましては著作権が生じていると思われます。

 写真の著作物は、創作性を認めることのできない自動証明写真、プリクラ、監視カメラの写真や、写真を複製手段として使った場合、例えば、芸術作品などを忠実に再現した複製写真を除き、著作物性が認められます。芸能人のブロマイドにつき著作物性が認められた判例があります。


 そもため、原則としては、著作権者の許諾が必要となります。

 ただし、「引用」として利用する場合は、許諾は必要ありません。

 著作権法(32条1項)上、引用ができる場合とは、①公表された著作物であること。②公正な慣行に合致していること、③報道・批評・研究その他の引用の目的上正当な範囲内であること、の3つの要件を満たす必要があります。

 

 この著作権法32条を踏まえた上で、裁判上認められた引用基準というものがございます。以下の4つの要件を全て満たした場合です。


 ①明瞭性→引用する側の著作物と、引用される側の著作物との区別が明瞭であること。例えば、引用文をかぎかっこでくくって表示するような場合です。


 ②付従性→引用された著作物が引用先である質問者様の著作物の中に吸収されており、引用文が本文より高い存在価値を持たないこと。


 ③必要最小限→引用の範囲が引用の目的上必要最小限の範囲であること。例えば、美術作品・写真・俳句のような短い文芸作品であれば、全部の引用が可能ですが、学説・論文等については全部の引用はできないというようなことです。


 ④人格権への配慮→著作者の人格権侵害や名誉棄損とならないように配慮する必要があります。


 この判例の条件を全部満たすことで引用が可能になると考えられます。


 
 ただし、著作物を複製するにあたっては、出所を明示する必要があり、また、著作物を複製以外の方法により利用する場合には、出所を明示する慣行があるときに限り、出所を明示する必要があります(著作権法48条1項1号・3号)。例えば、著作者名(氏名、筆名、雅号、サイン、略称など)、題号、出版社名、URLなどの明示が必要です。


 質問内容から推察しますと、写真を紹介記事の一部に使用している程度のようですし、URLも掲載しているとのことですので、「引用」に該当し、著作権法上の問題は生じないと思われます。

 ただし、パブリシティ権については、抵触する可能性がありますが、商品化により利益をえているものではなく、収益も全く得ていない状況ですので、パブリシティ権にも抵触しない可能性があります(微妙ですが)。

 また、AKB48等の固有名称には、著作権は生じません。ただし、商標権が取得されていないか、確認する必要があります。

 商標権侵害とは、指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務に、登録商標もしくはこれに類似する商標を使用し、又は一定の予備的行為をいいま(商標法2条3項、25条、37条等)。

 そのため、こ自分で特許庁のホームページから電子図書館にアクセスして、商標権の調査をするか(無料です)、困難であれば特許事務所に依頼して調査してもらう必要があります(5万程度以下が相場のはずです。)

 商標権が存在していても、その商標権の指定商品や指定役務(サービス)の内容が異なれば、使用しても侵害とはなりません。

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