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patent777, 弁理士
カテゴリ: 特許・商標・著作権
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はじめまして。企業法務について相談があります。 以下のような行動を社員が行った場合、責任の追及はどの会社のどの社員

解決済みの質問:

はじめまして。企業法務について相談があります。
以下のような行動を社員が行った場合、責任の追及はどの会社のどの社員に対して賠償責任を問うことが可能でしょうか?

A社:著作権が発生している資料の所持者。
B社:業務を遂行する範囲で上記資料にアクセスが可能。
C社:上記資料を手に入れたいが、著作権が絡むので手に入れられないで困っている。

A社の資料を許可なく、B社の社員が、C社の担当に該当資料をメールに渡した。

ご意見いただければ幸い。
投稿: 4 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 4 年 前.

知的財産権を専門に扱っている弁理士です。

 著作権の観点からご説明します。

 不法行為による損害賠償請求(民法709)は、著作権を侵害している者又は侵害とみなされる行為をしている者に対して行うことができます。

 そこで、A社~C社まで順を追って検討してみます。

1.A社

 著作権は、原始的には著作物を創作した者である著作者(著作権法(以下「著」とします)2条1項2号)が有します(著17条1項)。

 一方で、著作権は財産権としての性格を有していますので、その全部又は一部を譲渡することができます(著61条1項)。

 そのため、著作権者となりうる者は、著作者又は著作権を譲り受けた譲受人となります。

 また、著作権と所有権とは別個の権利ですので、著作物の所持者が必ずしも著作権者ということにはならず、あくまでも著作権を原始的に又は譲受人のみが著作権者となります。

 そこで、A社が著作権が発生している資料(以下、「著作物」とします)を所持しているとのことですが、A社が著作権者であれば、当然にA社は侵害しておりません。

 しかし、A社は著作権を有しておらず、また、著作権者から許諾を得ていない等の正当な理由なく、その著作物を複製して所持していた場合は、著作権のうち、複製権の侵害となります(著21条)。

 また、A社自身は著作物を複製していなくても、A社以外の違法に複製した者からA社が著作物を入手したものであって、侵害行為によって作成された著作物であることを知りながら、かつ、頒布等の目的をもってA社が所持していた場合は、そのA社の所持行為は侵害とみなされます(著113条1項2号)。

2.B社の社員

 ご質問内容から察しますに、B社は著作権を有していないと思われますので、以下、B社には著作権がないことを前提としてご説明します。

 B社の社員は、A社の資料(著作物)を(A社の)許可なく、C社の担当にメールで渡しているとのことですが、これはB社の社員が、著作権者(A社または他者)の許可を得ずに、私的使用の目的以外の目的で、A社が所持している著作物を複製して、メールで送信しているようですので、複製行為に対して複製権を侵害し(著21条)、その複製物をメールにて送信する行為に対して公衆送信権及び譲渡権を侵害することになります(著23条1項、26条の2第1項)。

 したがって、B社の社員は、損害賠償請求の対象になると思われます。

3.C社の担当者

 C社の担当者は、B社の社員から著作物をメールで受信したにすぎず、自らが複製等をしているわけではないので、直接侵害にはならないと思われます。

 しかし、侵害とみなされる行為(いわゆる「間接侵害」)に該当する可能性があります。

 間接侵害に該当する要件としましては、①著作権を侵害する行為によって作成された物を、②情を知って、すなわち、所持を開始した時点または所持中に、侵害行為によって作成された物であることを知りながら、③頒布し又は頒布の目的をもって所持するなどの行為をする場合です(著113条1項2号)。

 ご質問内容では、「C社は、上記資料を手に入れたいが、著作権が絡むので手に入れられないで困っている。」とありますので、B社の社員から当該資料をメールで受信した時点において、情を知っていた可能性が高いのではないかと推測されますので、関節侵害となる可能性が高いと思われます。

 この間接侵害に該当する場合にも、損害賠償請求ができます。

4.その他

 損害賠償請求は、民法709条を根拠とするものですが、著作権者にとって無体財産である著作権侵害の立証は、困難を伴いますので、その立証を軽減する規定が著作権法にあります点をご参考までに申し述べておきます(著114条~114条の5)。

質問者: 返答済み 4 年 前.

丁寧な回答ありがとうございました。


詳細な内容をもう少しいただきたいのですが、


 


2.B社の社員の損害賠償請求は、どの会社から可能なのでしょうか?


 


つまり、A社からは、B社そのものが損害賠償の対象なのか、B社社員個人に賠償請求が可能なのかです。


 


さらに、B社が1社員に対して損害賠償が可能なのでしょうか?その場合、採用条件等で必要な項目があるのでしょうか?

専門家:  patent777 返答済み 4 年 前.

 損害賠償請求の要件は、①故意又は過失の存在、②他人の権利又は法律上保護される利益の侵害、③損害の発生、④侵害と損害の因果関係、の4つの要件をすべて満たした場合に、請求できることとなります。

 A社が著作権を有している場合や著作権に対するライセンスを有している場合など、正当な利用権原があり、B社の社員が故意又は過失によってA社の権利又は法律上保護される利益を侵害しており、そのB社の社員の当該行為によって、A社に損害が発生しているのであれば、A社がB社の社員に対して損害賠償請求をすることとなると思われます。

 また、B社の社員の行為によってA社以外にも法律上保護される利益を侵害され、それによって損害を被っている社ないし者がいるのであれば、その社ないし者も請求できることとなります。

 一方、損害賠償請求をされる者(被請求人)としては、故意又は過失があり、侵害行為をした者です。

 B社の社員の侵害行為が、その社員の個人的な動機や利益を得る目的で、侵害行為をした場合はB社の社員に対して請求することとなりますが、一社員ではなく、B社の指揮命令でその社員が侵害行為をしたといったような、実質的にB社が組織的に侵害行為をしたような場合には、B社に対して請求することとなると思われます。

 また、B社の社員が、B社という会社組織とは無関係に一個人として侵害行為をし、それによってB社が損害を受けたような場合には、B社がその社員に対して損害賠償を請求することができると思われます。

patent777, 弁理士
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