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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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A社から脚本作成の依頼があり、私と脚本家の共同執筆で、制作委託契約や権利譲渡契 約などないままに納品しました。

解決済みの質問:

A社から脚本作成の依頼があり、私と脚本家の共同執筆で、制作委託契約や権利譲渡契
約などないままに納品しました。
しかし、A社から口頭で言われた報酬の3分の1しか支払われず、すでに半年が過ぎよ
うとしています。
A社の不誠実な態度に信頼関係はすでに崩壊しており、私と脚本家でこの脚本の使用差
し止めをA社に対して勧告したいと思っています。
この場合の法的根拠はどこにあるのでしょうか?
また、書面の書式はどのようなものがよく(専門家に作ってもらう必要があるかどうかも含
めて)、どんな文書を書けば効力があるのでしょうか?
投稿: 4 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 4 年 前.

 知的財産権を専門としている弁理士です。

 著作者人格権や著作権(以下「著作権等」とします)を有していれば差止めをすることができます。

 著作権法(以下「著」とします)では、「著作者、著作権者・・・は、その著作者人格権、著作権・・・を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。」と規定されています(著112条1項)。

 ここで、著作権等は原則として、著作者に原始的発生します。

 著作者とは、著作物を創作する者をいいます(著2条1項2号)。本事案におきましては質問者様と脚本家ということになります。

 この著作権等は、いわゆる無方式主義といいまして、いかなる方式の履行をも必要とせずに、著作者に発生します(著17条)。すなわち、申請、登録などの一切の手続をすることなく、著作者に発生するということです。

 ただし、例外がございます。それは、著作物がいわゆる職務創作に該当する場合です。その場合には、著作権等は創作した者ではなく、法人等に原始的に帰属します(著15条)。本事案においてはA社ということです。

 具体的には、①法人等の発意に基づき、②法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物で、③法人等が自己の著作の名義の下に公表するもので、④作成時に契約、勤務規則その他の別段の定めがない場合は、その著作者は法人等となります(著15条1項)。

 したがいまして、著作物である脚本が職務創作に該当しないのであれば、著作権等は質問者様と脚本家が有していますのでA社に対して差止請求をすることができ、職務創作に該当するのであれば、著作権等はA社に帰属し、差止請求をすることができないことになります。

 それでは、質問内容に即して、ご説明します。

 ①につきましてはA者から脚本作成の依頼がされていますので、法人等の発意に基づくと解されます。

 ②につきましては、判断が難しいところです。裁判例でも、従業者ではなく、委託契約の受任者や請負契約の請負人というだけで、従業者ではない、という単純な判断はしておらず、実質的な指揮監督下にあったか、報酬の支払いなどの要素を勘案しながら判断しています。

 形式的には「法人等の業務に従事する者」とは、法人等の指揮監督下において労務を提供する者ということであり、通常は雇用契約に基づく場合です。

 委任契約の場合は、受任者は、一般に、委任者に対して独立の地位に立ち自己の最良によって業務を遂行するので、法人等の指揮監督下にはなく、法人等の業務に従事する者ではないので、委託契約や請負契約に基づき著作物が作成された場合は、受任者が著作者になると思われます。

 ③につきましては、作成した従業者ではなく法人等が著作者(発行者でもなく)として表示されて公表する場合です。

 また、未公表であっても公表するとすれば使用者(法人等)の名義で「公表するであろうもの」も含まれると解されます。

 ④につきましては、著作物の作成時点において、契約等によって法人等以外の者を著作者とする定めがあれば、その契約等を優先するというものです。質問内容では、制作委託契約のないままに納品した、とありますので、本要件のような定めもないものと考えられます。

 以上の4つの要件に基づき、本件における脚本の著作者を判断すれば、おそらく②の従業者の要件を満たしていないのではないかと推定されますので、質問者様と脚本家の両者が原始的に著作者人格権と著作権を有するものと思われます。

 脚本の所有権はA社が有していても、職務創作に該当しない限り、著作権等について権利譲渡契約がないようですので、著作権等は質問者様と脚本家が有していることになります。

 なお、差止請求権を行使する前に、著作権侵害に詳しい弁護士にご相談して、A社に対して書面にて警告をしたほうがいいと思われます。

 できれば多大な労力と費用を要する裁判よりも和解、調停に持ち込んだ方がいい場合もあります。

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