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patent777, 弁理士
カテゴリ: 特許・商標・著作権
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はじめまして。 弊社は特殊機械を扱う商社で、今回取り引き先であるメーカー A が最近特許を取得したばかりの装置を弊社販売先 B に販売予定です。 今回取得した特許は、Aがライバ

解決済みの質問:

はじめまして。
弊社は特殊機械を扱う商社で、今回取り引き先であるメーカー A が最近特許を取得したばかりの装置を弊社販売先 B に販売予定です。
今回取得した特許は、Aがライバルメーカーである C  の特許に抵触しないように開発されました。
今回は早期審査請求⇒特許庁による拒絶理由による補正手続完了⇒特許料納付⇒特許証取得
という流れで取得致しました。特許に関しまして無知な小生ですが、今回一般公開前に特許が取得された
事に関してお伺いしたいのですが、もしライバルメーカー C が A の特許内容を閲覧した場合、どのような
意義の申し立てが出来るのでしょう?

1番懸念する事は
裁判等で A が開発した装置が、特許を取得しているにも関らずライバルメーカー C の特許に抵触しているなどの判決がなされ、 C が損害賠償を請求し認められる事です。
弊社としては、単に A の特許が他社による無効審査請求などにより、特許が無効になるだけであれば
良いのですが、弊社並びに実際にその装置を購入し使用します取り引き先が、損害賠償を請求されるような
事態は避けねばなりません。
どうか専門家のご意見をお聞かせ下さい。
投稿: 4 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 4 年 前.

 知的財産権を専門としている弁理士です。

 質問者様もご存知かもしれませんが、事実関係を整理するために、出願公開及び出願資料の閲覧について、特許法上の規定について触れさせていただきます。

 まず、出願公開請求(特許法(以下「特」とします)64条の2)をしていなければ、特許出願の日から1年6月経過後に出願公開がされて(特64条1項)、誰でも発明内容を知りうる状況となります。

 今回のケースでは、出願公開請求はしていないように見受けられますが、早期審査請求をしておりますので、出願公開がなされる特許出願日から1年6月が経過する前に、特許権を取得しているようですね。

 そのため、出願公開がされずに特許権を取得していることになります。

 この場合、出願公開はされないですが、特許権の設定登録がなされた時点において特許内容が特許公報に掲載されることになります(特66条3項)。

 また、出願公開や設定登録時の特許公報以外の手段によって発明内容を知る方法としまして、特許庁長官に対する証明等の請求というものがあります(特186条)。

 この証明等の請求は、何人も可能であり、特許に関し、証明、書類の謄本もしくは抄本の交付、書類の閲覧や謄写等の交付を請求することができるというものです。

 この請求には一定の制限がございまして、特許庁長官が秘密を保持する必要があると認めるときは、請求できないこととなっています。たとえば、出願公開がされていない場合や設定登録されていない場合です。

 そのため、出願公開又は設定登録がされている場合には、請求に対して特許庁長官は発明内容を開示することとなります。

 以上、特許法上の規定を踏まえて上で、本事案について検討してみます。

 まず、Cが発明内容を閲覧することができるのは、出願公開がされておりませんので、Aの設定登録後に掲載される特許公報(特66条3項)による場合、または、特許権の設定登録後に特許庁長官に対して証明等の請求をした場合(特186条)のいずれかに限られます。

 そのため、Cが上記の方法により発明内容を閲覧した場合は、特許法にしたがったものですので、異議の申立てはできないこととなります。

 なお、Cが証明等の請求をした場合は、書類の提出者に請求の旨及びその理由が通知されますので(特186条2項)、Aはその事実を知っていることになります。

 仮にCが特許法に規定されている方法以外の方法で、発明内容を閲覧した場合は、不法行為になるのではないでしょうか。発明内容を知る者から情報を何らかの方法で聞き出したとか、詐欺、脅迫、窃盗、違法アクセスなどによって閲覧したというようなことになるのではないでしょうか、そのような場合は、民法や刑法などの一般法によって処理することになると思われます。

 ご質問は、Cが特許法で規定されている出願公開、登録後の特許公報、証明等の請求のいずれかの方法によって発明内容を閲覧した場合に、異議申し立てができるかということをお尋ねなさっているのでしたら、上述しましたように、Cの行為は違法とはなりませんので異議申し立てはできないことになります。

 以下は、ご質問とは直接関わりがないことですが、ご参考までにご説明いたします。

 Aが開発した装置がCの特許に抵触しているか、すなわち、Aの特許発明がCの特許発明の技術的範囲に属しているか否かについては、特許庁に対して判定を請求してはいかがでしょうか。

 特許法には判定制度がございまして(特71条)、3名の審判官が準司法的な手続きによって、Aの装置がCの特許に抵触するかどうかの、いわば鑑定をしてくれます。

 1件につき4万円程度です。

 この判定はその結果に法的拘束力がありません、すなわち裁判において裁判官が判定の結果と同じ判決をしなければならないといった拘束力はありませんが、専門官庁である特許庁の公的な判断ですので、裁判官の心証形成に大きな力を発揮します。

 この判定を、早い時期に活用してみてはどうでしょか、色々なメリットが得られるはずです。

 まず、抵触しないと判断されれば、安心して事業の継続ができます。一方、抵触するという判断結果が出された場合には、事業を中止したり、さらに特許事務所に依頼して再度、判断してもらう、といったこともできます。

 ちなみに、特許権侵害において、損害賠償請求をする場合には、その立証の困難さから以下のような立証軽減規定が存在します。

 譲渡数量に単位数量あたりの利益額を乗じて得た額を損害額にでき(一部省略)、また、侵害者の利益額を損害額に推定できる(特102条1項、2項)。

 そのため、仮に権利の抵触が生じているのでしたら、早急に中止することによって、損害賠償額を低額におさえることができます。

 さらに、侵害者に故意又は重大な過失がなかったときは、裁判所は、損害額を定めるについて、これを参酌する、という規定があります(102条4項後段)。

 そのため、判定を請求していれば、その結果、仮に抵触するといった結果となった場合において、すぐに中止をすれば、故意や重過失がなかったことが推定される可能性があり、損害額も低くなると思われます。

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