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イタリア人の繊維メーカーをしている知人から日本での法的なことを調べてほしいと依頼がありました。 内容は、この会社が

質問者の質問

イタリア人の繊維メーカーをしている知人から日本での法的なことを調べてほしいと依頼がありました。
内容は、この会 社が以前取引していた日本の会社に、このイタリアの会社が商標登録をしているブランド名を使ったwebサイトを許可も取らずに勝手に開設して、再三の警告をも無視をして取引終了後の現在も使用しています。
許可無く開設使用されているのは(www.ブランド名-italy.com)ということですが、イタリアのメーカーとしては、
このような場合、日本では差し止め請求をし、使用を止めさせることは可能なのでしょうか?
投稿: 4 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 4 年 前.

知的財産権を専門としている弁理士です。

 

まず、差止請求権からご説明します。

 

差止請求権とは、「商標権者は、自己の商標権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。」権利です(商標法(以下「商」とします)36条1項)。

 

そのため、イタリアの会社(以下「甲」とします)と以前取引していた日本の会社(以下「乙」とします)が商標権を侵害し、又は侵害するおそれのある行為をしている場合に、差止請求をすることができます。

 

では、商標権の侵害についてご説明します。

 

商標権の侵害とは、「正当理由又は権原なき第三者が、指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品もしくは役務について、登録商標又はこれに類似する商標を使用しもしくは一定の予備的行為をする」場合です(商25条、37条等)。

 

それでは、商標権の侵害の成否について検討してみます。

 

1.甲が日本国で商標権を取得していることが前提となります。

 

 「属地主義」と申しまして、権利は各国ごとに個別に発生し、権利を取得している国についてのみその効力がおよびます。そのため、甲が日本国において商標権を取得している必要があります。甲の所在地は関係ありません。日本国に本社、支店、事業所など法人が存在している必要はありません。商標権を日本国で取得しているか否かが問題となります。

 

2.その商標権が有効に存続している必要があります。

 

損害賠償請求権と異なり、差止請求権は、現在又は将来の侵害の予防、拡大防止を図るものですから、すでに権利が消滅している場合には、権利を行使する実益がないため、差止請求権は行使できません。そのため、少なくとも、差止請求訴訟の口頭弁論終結時までは商標権は存続している必要があります。

 

3.乙が甲の商標権の同一・類似範囲内で使用していることが必要です。

 

すなわち、甲の商標権の指定商品もしくは指定役務又はこれらに類否する商品もしくは役務に対して登録商標(ブランド名)又は類似商標(類似のブランド名)を使用している場合のみ侵害となり、例え同一のブランド名であっても類似していない商品や役務に使用している場合には侵害となりません。

 

本事案で考えてみますと、甲は繊維メーカーということですので、指定商品は繊維製品や衣類といったところだと思われますが、そうである場合、乙がそのブランド名を繊維製品や衣類の製造販売等のために使用している場合には、侵害となりますが、繊維製品や衣類と非類似の商品やサービスに使用している場合には、侵害となりません。

 

4.乙のブランドの「使用」が、登録商標(ブランド名)又は類似商標の機能を発揮させるような態様で使用している場合は、商標権の侵害となり、その使用が商標の機能を発揮させる態様で使用していない場合は、侵害となりません。

 

使用の態様は、商標法で規定されています(商2条3項各号)。本事案における乙の行為について検討してみます。

 

法上規定されている各種の使用行為のうち、甲の商標権が役務(サービス)ではなく、商品(繊維製品や衣類など)とした場合、本事案における乙の使用行為は「商品又は包装にに商標を付する行為」(商2条3項1号)、、「商品の広告などに商標を付して展示し・・・電磁的方法により提供する行為」(同8号)に該当すると思われます。

 

乙によるwebサイトにブランド名の電磁的な情報を組み込む行為は、電子情報と商標が一体となって視認されるので、付する行為に含まれると解されます(同1号)。また、 インターネットを通じた通信販売において、顧客がインターネットに接続してパソコン画面上で視認できるようなサイトに商標を表示して提供 する行為は電磁的方法により提供する行為になると解されます(同8号)。

 

そのため、乙の行為は法上の使用になると思われます。ただし、乙の使用が識別機能を発揮するような態様で使用する場合に限り、侵害となります。そのため、例えば、ブランド名をwebサイトのドメイン名としてのみ使用しているような場合には、識別機能を発揮していないので、使用とはならず、侵害とはなりません。

 

5.乙に正当理由や権原がないことが必要です。

 

たとえば、甲と乙との間に使用許諾契約が結ばれていた場合、または甲が日本に出願する前から乙が、不正競争の目的なく、使用し続けており、ある一定の地域でブランド名が周知である(かかる場合、乙に先使用権が発生します)場合・・・etc。このような否認や抗弁事由が存在していいれば、差止請求はできません。

 

6.まとめ

 

ご質問内容を見る限りでは、乙の正当理由・権原があるようには思われませんので、甲が日本国において、商標権を取得しており、現在も有効であり、乙が同一・類似の範囲内で「使用」しているならば、乙の行為は商標権の侵害となり、甲は差止請求をすることができます。

質問者: 返答済み 4 年 前.

質問の内容をもう少し詳しく言いますと、乙は以前甲の商品を輸入卸販売していて、乙のHPでも通信販売をしていました。しかし甲に通達や使用許可を取らないまま甲のブランド名を入れたメイン名を使用して日本で甲の商品を通信販売し、これに気づいた甲が使用の停止またはドメイン名の返却を求めたが、乙が商売取引が終わった後も甲が日本で商標権を取得しているドメイン名を使用して甲の商品を販売しています。甲は乙が甲の商品の在庫をインターネット上で


乙のHPで継続して販売する事に関しては何ら異議はないが、ブランド名を使ったドメイン名webサイトを止めさせることは出来ないのかを甲が知りたいという


ことです。

専門家:  patent777 返答済み 4 年 前.

乙がドメイン名として甲のブランドを使用している場合、商標法上の使用となるかが争点となります。

 

ドメイン名は、インターネット上のコンピュータやユーザーを識別するための文字列であり、インターネット上の住所の役割を果たしており、ユーザーはドメイン名により表象されるホームページを識別しますので、この意味においてドメイン名はホームページの識別標識になるといえます。

 

ただし、商標法上の保護対象となるためには、当該サイトの運営主体が商標権者(甲)であるかのような印象を抱かせる機能を発揮する必要があり、個々の事案に応じて判断されることとなります。

 

したがいまして、乙が甲のブランドをドメイン名として使用したHPが、甲のものであるかのような印象をユーザーに抱かせると判断される場合は、商標権侵害となり、差止請求が可能であると思われます。

 

また、不正競争防止法(以下「不」とします)においてもドメイン名を保護することができます。

不正の利益を得る目的で、又は他人に損害を加える目的で、特定商品等表示(商標等)と同一若しくは類似のドメイン名を使用する権利を取得し、保有し、使用する行為は、不正競争行為となります(不2条1項12号)。

 

この不正競争に該当するか否かのポイントは、乙の行為が不正の利益を得る目的又は他人(甲)に損害を加える目的があるか否かと思われます。

 

例えば、自己の所有するドメイン名を不当に高額の値段で転売する目的、甲の顧客吸引力を不正に利用して事業を行う目的、ドメイン名のウエブサイトに中傷記事や猥褻な情報等を掲載してドメイン名と関連性を推測される企業に損害を加える目的など、財産上の損害、信用の失墜といった有形無形の損害を与える目的がある場合には、不正競争防止上の差止請求の可能性があります(不3条)。

ただし、ドメイン名の引渡し請求はできないと解されています。

JustAnswer メディア掲載:

 
 
 
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