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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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手芸で鳥居清長の作品を作りました。 全く一緒と言うわけではなく、ポーズをかりました。 でも有名な絵なので、見たら

解決済みの質問:

手芸で鳥居清長の作品を作りました。
全く一緒と言うわけではなく、ポーズをかりました。
でも有名な絵なので、見たら知っている人は
あの絵が下書きになっていると、判るかもしれません、
絵に背景は無いのですが、私はイメージでつくっております。
世間に発表したいのです。
勿論タイトルのところに「鳥居清長画参照」といれます。
お答えお願いいたします。
投稿: 4 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 4 年 前.

知的財産権を専門としている弁理士です。

 

著作権法上の同一性保持権(著作権法(以下「著」とします)20条)の侵害となるか否かが問題となります。仮に侵害となる場合には、著作権法上の刑事罰の対象となります(著60条、120条)。

 

まず、原作品の著作者である鳥居清長は、著作者人格権及び著作権を取得しています。このうち、著作権は、原則として、著作者である鳥居清長の死後50年を経過した時点において消滅しています。

そのため、支分権の束である著作権に含まれる多数の権利、例えば、複製権、上映権、公衆送信権、展示権、譲渡権などの権利はすでに消滅していますので、これらの行為は違法とはなりません。

 

しかし、著作者人格権は、著作者の死後においても事実上、存続する権利です(著60条)。

これは「著作物を公衆に提供し、又は提示する者は、その著作物の著作者が存しなくなった後においても、著作者が存しているとしたならばその著作者人格権の侵害となるべき行為をしてはならない。ただし、その行為の性質及び程度、社会的事情の変動その他によりその行為が当該著作者の意を害しないと認められる場合は、この限りでない。」と規定されている著作権法60条が根拠となります。

 

本規定のただし書きにつきましては、時代の変化により用字・用語を変更する必要が生じたなどの極限られた範囲しか認められません。

 

すなわち、著60条の規定が存在するため、著作者人格権は著作権法上、無期限に保護されることとなります。

極端な例ですが、ご家庭にゴッホの絵画が印刷されているカレンダーがあるとして、そのゴッホの絵画にいたずらで髭を描いた場合でも、著作権法上は違法になると思われます(私的領域の範囲でも法理論上は侵害になると思われます)。

 

そして、60条の規定に違反した者は、5百万円以下の罰金が科されることとなります(著120条)。この罪は、非親告罪といいまして、告訴がなくても公訴を提起することができるので(著123条1項)、親告罪の刑罰よりも訴えられる可能性が高いといえます。

 

ここで、著作者人格権には、公表権(著18条)、氏名表示権(著19条)及び同一性保持権(20条)の3つの権利が含まれます。

このうち、本事案のように原作品の改変を伴う行為につきましては、同一性保持権が問題となります。

 

この同一性保持権とは、著作者の自己の作品に対する「こだわり」、「愛着」、「芸術・学問的良心」といった主観的な利益を保護しているものといえます。

そして、法上では「著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。」(著20条1項)と規定されています。

 

最高裁の判例「本多勝一反論権事件」(平成10年7月17日)を例にしますと、同一性保持権侵害となるのは、原著作物をその表現形式上の本質的特徴を感得させるような方法で利用している場合であり、その本質的特徴を感得できないほど改変が進んでいるような場合は、そもそも他人の著作物を利用しているとはいえないので、同一性保持権の侵害にはならないと考えられます。

 

したがいまして、質問者様が作成した絵が鳥居清長の絵を直接感得できない程度にまで改変が進んでいるのであれば、侵害とはなりません。しかし、質問者様の作成した絵から鳥居清長の絵が直接感得されるような場合はもとより、質問者様の作成した絵の基本的なモチーフないし構成から鳥居清長の画風を想起させるような場合にも侵害と判断される可能性があると思われます。

 

なお、同一性保持権には例外規定が存在し(著20条2項)、本事案の場合には、同条同項4号の「・・・著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変」であれば、適用されないこととなります。

 

この例外規定が認められるのは、例えば、明らかな誤字の訂正、技術上の理由で原作品と印刷物との差異、演奏歌唱の技術による不正確な演奏、試験問題作成のための改変、映画のテレビ放送のためのトリミングといった、やむを得ない事情がある場合だけのようですので、本事案のように、積極的に改変する意思をもって原作品を改変したような場合には、例外規定の適用はないと思われます。

 

したがいまして、同一性保持権の侵害か否かは、質問者様の作成した絵が、原作品を直接感得させるか否かにかかってくると思われます。

 

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