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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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論文の著作についての質問です。 少々事情が込み入っているのですが,私の会社はグループ会社内での解析計算などを主にお

質問者の質問

論文の著作についての質問です。
少々事情が込み入っているのですが,私の会社はグループ会社内での解析計算などを主におこなっています。
位置づけとしては、研究所というよりもIT関連の会社です。したがって、解析といっても大抵は汎用ソフトを
もちいて計算してますので、特許や著作といった 問題はまず発生していません。
ところが、今回グループ会社内で依頼した案件で、既存の理論に基づいてプログラムを組む仕事だったのですが、
既存の理論が不完全でしたので、私が新たな理論を築いてプログラムを作成し、その結果論文を書くように依頼を受けましたので執筆しました。ところが提出してから六カ月も連絡がなく、先日上司を通して尋ねたところ、独立法人の研究機関から資金を打ち切られてしまい、論文について特許とするか(この場合は論文を投稿します)、ノウハウとして保持するか(この場合は論文はお蔵入りです)を今月中に決めるとのことでした。
上述したように、いまの会社は研究所ではありませんので、おもにこういった研究関連の仕事が得意なわたしは(資格をとるのが苦手なので)昇進も昇級もまるで可能性がなく、この論文で転職を有利に進めようと考えていたので、ノウハウとして企業秘密にされてしまうと困ってしまいます。
ノウハウにするといわれた場合に拒否することは法律的に可能なのでしょうか。
投稿: 5 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 5 年 前.

知的財産権を専門とする弁理士です。そのため知的財産法の観点からご説明します。

 

まず、事実関係を整理しますと、質問内容において「今回グループ会社内で依頼した案件で」、「独立法人の研究機関から資金を打ち切られて・・・」とありますが、これはグループ会社外 の独立法人の研究機関からグループ会社内の一会社である質問者様の所属するIT関連会社へプログラムと(事後的に)論文の作成の依頼(委託ないし請負契約)があり、IT関連会社(質問者様の上司など)から質問者様へそのプログラムと論文の作成業務の指示がなされ、質問者様がそのプログラムと論文を作成して、最終的に独立法人の研究機関にそのプログラムと論文を提出した、という前提でご説明いたします。

 

著作権法上、著作物を公表するか否かを決定できる者は、公表権(著作権法(以下「著」とします)18条)、氏名表示権(著19条)、同一性保持権(著20)からなる著作者人格権を有する者です。本件におきましてはノウハウが、すなわち未公表として営業秘密ないし企業秘密とするか、それを拒否できるかが問題となっていますので、著作者人格権のうち公表権の帰属が問題とまります。

 

公表権とは、「著作者は、その著作物でまだ公表されていないもの(その同意を得ないで公表された著作物を含む)を公衆に提供し、又は提示する権利を有する。・・・」(著18条1項)というものです。そのため、著作者のみが公表するか否かを決定する権利を有するもので、本件に置き換えて解釈しますと、著作者のみが公表せずにノウハウとするか否かを決定する権限を有している、ということになります。

 

そこで、質問者様が作成したプログラムと論文は、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽に属するもの」(著2条1項1号)に該当するものであれば(おそらく該当するでしょう)、著作物となり(著10条1項1号、同9号)、原則として、著作物を創作した者である質問者様が著作者となります(著2条1項2号)。よって、質問者様はプログラムと論文の二つの著作物についての著作者となるのが原則です。

 

そして、原始的に著作者が前述した著作者人格権(著18条~20条)及び著作権を取得します(著17条1項)。

ここに著作権とは、支分権の束といわれていまして、複製権(著21条)をはじめ、上映権や公衆送信権などの複数の権利が含まれます(著22条~28条)。

 

なお、著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要せず(著17条2項)、出願、申請、登録などの一切の手続きをすることなく、著作者に著作者人格権と著作権が帰属します。

登録などをするは、後日、権利の帰属などの訴訟が起き場合に立証を容易にするための証拠とするために行うにすぎません。

 

このため、質問者様がプログラムと論文を作成したので、質問者様に著作者人格権と著作権が帰属するのが原則です。

 

しかし、例外として、いわゆる職務著作物(著15条)に該当する場合は、著作者は法人等となります。ここでいう法人等とは、本事案においては質問者様の所属する法人であるIT関連の会社ということです。

 

具体的には、①法人等の発意に基づき、②法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物で、③法人等が自己の著作の名義の下に公表するもので、④作成時に契約、勤務規則その他の別段の定めがない場合は、その著作者は法人等となります(著15条1項)。なお、プログラムの著作物については、上記③の要件は課されず、①、②及び④の要件を満たせば、法人等が著作者になるということです。

 

さらに詳述しますと、①につきましては上司などから明確な指示がなされたり、具体的な命令がなくても使用者の間接的な意図の下に創作した場合も法人等の発意に基づくと解されます。②につきましては、職務上とは、具体的に命令された内容だけでなく、職務として期待されているものも含まれ、従業者の地位、給与等も総合的に勘案して決められます。③につきましては、作成した従業者ではなく法人等が著作者(発行者でもなく)として表示されて公表する場合です。

 

また、未公表であっても公表するとすれば使用者(法人等)の名義で「公表するであろうもの」も含まれると解されます。なお、プログラムの著作物については、人格的要素が薄く、頻繁に改変が行われるという性質を有しているので、公表は要件とされていません。すなわち、公表されないプログラム、無名で公表されたプログラム、他の法人名義で公表されたプログラム、従業員名義で公表されたプログラムであっても、これらの公表によって法人等が著作者となることは妨げられないということです。

 

④につきましては、著作物の作成時点において、契約等によって法人等以外の者を著作者とする定めがあれば、その契約等を優先するというものです。また、法人等を著作者とする定めがあっても①~③の要件を満たしていなければ法人等は著作者となることはできない解されます。

 

以上の4つの(プログラムについては3つの)要件に基づき、本件におけるプログラムと論文の著作者を判断すれば、契約等で別段の定めがいないかぎり、質問者様の所属するIT関連の会社が著作者になり、IT関連の会社が原始的に著作者人格権と著作権を有するものと思われます。

 

独立法人の研究機関は、あくまでも発注者であり、質問者様の所属している組織とは別個の組織ですので、創作者たる質問者様とは組織的な指揮命令・監督関係にあるものではないため、職務創作物の著作者としての法人等にはならないと思われます。

独立法人の研究機関は、委託契約により、プログラムと論文の所有権は有するかもしれませんが、所有権と著作権等は別物です。

 

また、委託等の契約により、納品だけでなく、著作者人格権や著作権の譲渡も締結していた場合、著作権は契約に従い譲渡されても、著作者人格権は著作者に一身専属であって、著作権法上は譲渡できません(著59条)。著作者人格権の譲渡についての契約があっても民法上は有効であっても、著作権法上は効力を有しません。

 

したがいまして、ノウハウにするといわれた場合に拒否する権限は、職務創作物であるならば、著作権法上は著作者たるIT関連の会社であると思われます。

 

なお、プログラムは特許法でも保護対象、すなわち発明となり得るものですが、特許法上の発明の対象となるプログラムは、特許庁の審査基準においてハードウェア資源を用いて具体的に実現されているプログラムに限定されています。

 

具体的には、 炊飯器、洗濯機、エンジン、ハードディスク装置などの機器に対する制御または制御に伴う処理を具体的に行うもの。並びに物理的性質又は技術的性質(エンジン回転数、圧延温度など)に基づく情報処理を具体的に行うものなどです。

 

そのため、質問者様のプログラムが上記に該当するものでなければ、特許法上の発明の対象にはなず、出願しても拒絶される可能性が高いと思われます。また、守秘義務のない者に公開すれば新規性を喪失して、原則として、拒絶されます。

 

 

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質問者: 返答済み 5 年 前.

ありがとうごうざいます。


 


誤解があったようですが,契約の流れは


独立法人会社→グループ内研究所→私の勤めているIT関連会社


です。


 


契約書を見る限り,著作権自体は私にあるようです。


 


最後に、今までにすでに半年以上放置された状態ですが、この後、ノウハウとして認定されることを拒否した場合、当然、予想されるのが、論文がこのまま放置状態にされ、発表の機会を失う可能性です。この場合、私の勤めている会社、乃至は私個人が投稿することはかのうなのでしょうか。


 


 

専門家:  patent777 返答済み 5 年 前.

契約の流れに誤解があったようですが、契約書には質問者様に著作権が帰属しているとのことですので、質問者様又はIT関連会社が公表権を有していることになります(著18条)。

 

そのため、公表権者だけが、著作物たる論文を公表し又は公表しないことを決める権限を有しています。

公表権を有していない独立法人は何ら権限がありません。

 

しかし、ノウハウとして認定された場合、その論文が営業秘密に該当すれば、その論文を公表する行為に対し不正競争防止法(以下「不」という)の不正競争行為に該当するか否かの問題が生じてきます。

 

ここで、「営業秘密」とは、①秘密として管理されており、②生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、③公然と知られていないもの、をいいます(不2条6項)。

 

そのため、この3つの要件に該当しなければ、その論文は不正競争防止法上の営業秘密とえいず、その論文を公表しても、違法とはなりません。

 

仮にその論文が営業秘密に該当する場合、その営業秘密を使用し、開示する行為が不正競争行為に該当する可能性があります(不2条1項8号)。そのため、論文を公表するのであれば、ノウハウとして認定されないようにする必要があります。

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