JustAnswer のしくみ:
  • 専門家に質問
    知識豊富な専門家があらゆる質問にお答えするために常に待機しています。
  • 専門家が丁寧に対応
    E メールやサイト内オンラインメッセージなど、さまざまな手段で回答を通知。
    必要に応じてフォローアップの質問をすることもできます。
  • 満足度 100% 保証
    専門家からの回答を確認し評価をすることで、支払うかどうかを決めます。
houmuに今すぐ質問する
houmu
houmu, 行政書士
カテゴリ: 特許・商標・著作権
満足したユーザー: 955
経験:  行政書士 知的財産修士 1級知的財産管理技能士 2級FP技能士
62663831
ここに 特許・商標・著作権 に関する質問を入力してください。
houmuがオンラインで質問受付中

100年から20年前の学術論文(ネット上に公開されているもの)を趣味で翻訳し、十数冊製本化しました。これを知人の求め

解決済みの質問:

100年から20年前の学術論文数十件(ネット上に公開されているもの)を趣味で翻訳し、十数冊製本化(約6000円/冊)しました。これを知人の求めに応じて廉価で頒布することに法律上の問題がありますでしょうか。利益を得るつもりは全くありません。翻訳権とか著作権とかに関係するでしょうか。
投稿: 5 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  houmu 返答済み 5 年 前.
個人的に使用する為に複製することは著作権法上認められていますので、製本され
た論文を自ら使用される分には問題ありません。
しかし、第三者に配布をされるのであれば、有償無償を問わず、(著作権が存続して
いる場合)著作権者の承諾を得る必要があり、翻訳物を配布する場合でも同様です。
但し、1970年までの旧著作権法では、翻訳について10年留保というルールがあり、
これの適用を受けることができる可能性があります。
以下、順番にご説明していきます。

●著作権法の適用範囲(概要)
まず、日本の著作権法が適用されるのは、
1.日本人の著作物
2.日本国内で最初に発表された著作物
(海外で発表後、日本で30日以内に発表されたものを含む)
3.条約により保護義務を負う場合

となっています。多くの国とは、3の条約関係がありますので、海外で発表された、
外国人の著作物についても、日本人同様の保護がされることになりますが、条約
を締結していなかったり、保護レベルの低い条約しか締結していない場合もあります。
例えば、北朝鮮については条約上の義務はありませんので、1.2に該当しない限り
は、発表されたばかりの論文であっても、許諾を得ずに配布して構いません。

●著作権の存続期間
当該論文の著作権が存続しているかについては、著作者の死亡時期を確認する
必要があります。
現在、著作権の保護期間は、著作者の死後50年とされていますが、法改正による
変更があるため、各時点の著作権法を考慮しなければなりません。
著作権法の主な変遷は下記のとおりとなります。

1899年7月15日 - 死後30年
1962年4月5日 - 死後33年
1965年5月18日 - 死後35年
1967年7月27日 - 死後37年
1969年12月8日 - 死後38年
1971年1月1日 - 死後50年

上記の通り、いずれも「死後」が計算の基準になっています。
そして、法改正のあった場合、それ以前の著作物はどうなるのかといいますと、
改正の時点で権利が有効であれば、延長されるという取り扱いになっています。

例えば芥川龍之介は1927年に亡くなりました。当時の著作権法は死後30年です
ので1957年に著作権が消滅しています。一度消滅した著作権が復活すると、
市場に混乱を招くことから、改正著作権法は適用されません。

一方島崎藤村は1943年に亡くなりました。当時の著作権法はやはり死後30年です
ので、1973年に著作権が消滅する予定でしたが、消滅よりも先に、著作権法が
改正されたため、死後50年に延長され、1993年まで存続していました。

仮に100年前の論文ということであれば、年齢的に考えて可能性は低いですが、
若い研究者の論文であれば、著作権が存続している可能性もあります。
例えば、100年前、1912年に発表した論文の著者が、発表後55年生存し1967年に
死亡した場合、死後50年とする著作権法改正が適用されますので、著作権は
2017年まで存続していることになります。

●戦時加算
第二次世界大戦において戦争をしていた期間中、日本国内において著作物が
保護されていなかったとして、サンフランシスコ平和条約に基づき、戦争期間中の
日数を加算するという特例があります。具体的な日数は国によってことなり、
例えばアメリカやイギリスは3794日、最長はレバノンの4413日となっています。

前項で、100年前に論文を発表後55年生存していれば、と、例を出しました。
もし45年生存して1957年に死亡された場合ですと、今年で著作権が消滅します
ので、来年以降であれば自由に印刷・配布できることに、通常であればなるの
ですが、もし、著者がアメリカ人であれば、戦時加算により約10年延長されます
から、著作権は2017年まで存続していることになります。

●10年留保
現在は廃止されてしまった旧著作権法では、翻訳について10年留保というルールが
ありました。これは、他の言語と日本語との翻訳が、比較的難しいことから設けられて
いた特例です。
この特例により、1970年までに発表された外国語の著作物について、発表から10年
(+戦時加算)以内に邦訳がでていなければ、自由に翻訳出版してもいいとされて
います。

●まとめ
・一部の国における論文は著作権法の制限を受けない場合がある。
・10年留保の規定により、1970年までに発表された論文で、10年(+戦時加算)以内に
邦訳が出ていなければ、著作権が存続していても配布可能。
(なお、インターネット配信など、印刷以外の配布については反対説あり)
・上記以外の場合は、死後30~50年(+戦時加算)の年数が経過しているかどうかを
チェックし、経過していれば配布可能。
・上記に該当しない場合は、著作権者の許諾を得る必要がある。

なお、著作権法の存続期間の○年というのは、翌年の1月1日から計算することに
なっています。
従って、1950年1月1日に死亡しても同年12月31日に死亡しても、著作権の
存続期間は2000年12月31日(+戦時加算)までということになります。
質問者: 返答済み 5 年 前.

大変詳しい回答をいただき勉強になりました。

以下について確認させてください。

①ほとんどの論文に10年留保が適用できると思われましたが、その確証を得る方法がない場合、どうすればよいのでしょうか。

②1986年に発表された論文の筆者は1992年に死亡されており、許諾が必要な事例になると思いますが、死亡している人に許諾を求めるという形の場合にはどうすればよいのでしょうか。

③同じ趣味仲間へ翻訳文を配布するというだけで外国の筆者のアドレスを探し出し、しかも英文で手紙を配信しなければならないという事態に正直とまどっています。無償であっても許諾を受けることを厳格に守らなければ罰則が適用されるものなのでしょうか。ネットに公開されたということは、ある程度このような可能性が許容されているとはみなされないのでしょうか。

④有償配布の場合、利益が生じる場合も、生じない場合も、許諾という手続きだけで済むものなのでしょうか。利益が生じた場合、筆者に配分するという義務は生じないのでしょうか。また、有償(製本化の原価や配布価格)、無償の証拠を残す配慮は必要でしょうか。

 

いずれにしましても1978年~2000年の4編の論文の筆者で存命の方がおられるので、その方のアドレスを探し、メールを配信する努力をしてみようと思います。

ありがとうございました。

専門家:  houmu 返答済み 5 年 前.
1.文学作品など、大衆受けするものについては、この規程を活用して出版されている
 ものも多数あり、10年留保が適用可能だという情報も比較的集めやすいですが、
 論文について確証をとるのであれば、著作者や学会などに問い合わせをする
 ということになるでしょう。
2.著作権は、財産として相続されることになりますので、配偶者の方やお子さんをさがす
 ことになります。但し、学会誌に掲載された論文であれば、著作権が学会に移転している
 場合もありますので、この場合は学会に許諾を得ることになります。
3.著作権法は親告罪といって、権利者の訴えがあってはじめて処罰の対象となります。
 その観点から言えば、Webページで販売するのであればともかく、知人数人に配布した
 ことが権利者にばれる可能性は低く、実際に処罰を受ける可能性は低いといえます。
 ただ、これはバレるかバレないかという話であって、やっていいということではありま
 せん。
 WEBサイト上に掲載されているということですので、当事者も配布してほしいと実は
 思っているかもしれませんが、そうでないかもしれませんし、この点確認してみないと
 わからないということですね。掲載だけをもって許諾を推定するというのは残念ながら
 無理があります。
④許諾を得るという作業の中には、有償か無償か、有償ならどのような支払方法に
 するか、という話し合いも含まれます。著作権者に許諾する義務はありませんので、
 断ることだってできるわけです。どうしても掲載したいとなれば、ではいくら支払い
 ますので、と交渉がはじまることになりますね。
 有償・無償の違いや販売金額は、許諾を得るための交渉の重要な要素ではあり
 ますが、あくまでも交渉の一要素に過ぎません。









houmuをはじめその他名の特許・商標・著作権カテゴリの専門家が質問受付中

特許・商標・著作権 についての関連する質問