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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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現存する作家の著作物を引用して商用利用することは可能ですか?

解決済みの質問:

現存する作家の著作物を引用して商用利用することは可能ですか?
投稿: 5 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 5 年 前.

知的財産権を扱っている弁理士です。

 

結論から申しますと、一定の要件を満たす場合には、著作物を引用して利用することができます。

 

具体的には、公表された著作物であって、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内であれば引用できます(著作権法32条)。

 

後ほど、詳細をご説明します。

質問者: 返答済み 5 年 前.
詳細の説明をよろしくお願いします。
専門家:  patent777 返答済み 5 年 前.

大変遅くなりまして申し訳ありません。先ほどの続きをご説明します。

 

著作権法(32条1項)上、引用ができる場合とは、①公表された著作物であること。②公正な慣行に合致していること、③報道・批評・研究その他の引用の目的上正当な範囲内であること、の3つの要件を満たす必要があります。

 

ここに、公正な慣行に合致しているとは、例えば、著作物たる絵画を美術の研究をするために美術史に引用する際に、絵画を読者が鑑賞できる程度の大きさと品質で行う場合は公正な慣行に合致しているとはいえないということです。

 

ただし、著作権法32条を踏まえた上で、裁判上認められた引用基準というものがございます。以下の4つの要件を全て満たした場合です。

 

①明瞭性→引用する側の著作物と、引用される側の著作物との区別が明瞭であること。例えば、引用文をかぎかっこでくくって表示するような場合です。

 

②付従性→(1)引用する質問者様の著作物が主体で、引用される他人の著作物は従たる存在であり、(2)引用された著作物が引用先である質問者様の著作物の中に吸収されており、引用文が本文より高い存在価値を持たず、(3)他人の著作物が大部分で質問者様の文章、コメントがそれより少ないということがないことです。

 

③必要最小限→引用の範囲が引用の目的上必要最小限の範囲であること。例えば、美術作品・写真・俳句のような短い文芸作品であれば、全部の引用が可能ですが、学説・論文等については全部の引用はできないというようなことです。

 

④人格権への配慮→著作者の人格権侵害や名誉棄損とならないように配慮する必要があります。

 

結構、細かい条件ですが、この判例の条件を全部満たすことで引用が可能になると考えられます。

 

そして、上記の条件を全て満たし引用ができるとなった場合には、通常に引用する場合のほかに、著作物を翻訳して引用することができます(著作権法43条2号)。ただし著作物を、編曲、変形、翻案して引用することはできません。

 

ただし、著作物を複製するにあたっては、出所を明示する必要があり、また、著作物を複製以外の方法により利用する場合には、出所を明示する慣行があるときに限り、出所を明示する必要があります(著作権法48条1項1号・3号)。例えば、著作者名(氏名、筆名、雅号、サイン、略称など)、題号、出版社名などの明示が必要です。

 

なお、①国・地方公共団体・独立行政法人・地方独立行政法人が、②一般に周知させることを目的として、③その著作の名義の下に公表する、④広報資料・調査統計資料・報告書・その他これらに類する著作物は、⑤説明の材料として、⑥新聞紙・雑誌・その他の刊行物に転載できます。⑦ただし、禁止する旨の表示がある場合はこの限りでありません(著作権法32条2項)。

 

この場合の転載も、翻訳して転載でき、出所の明示が必要となります。

質問者: 返答済み 5 年 前.

では引用のみがとあるインターネットサイト(たとえば大型の掲示板など)上に書いてあり

そこに批評や評価が加えられていた時に

サイトの運営者は営利上の利益である広告収入を得ていますが

この場合は合法になりますか?

専門家:  patent777 返答済み 5 年 前.

「引用のみがとあるインターネットサイト上に書いてあり」とは、「他人の著作物のみがとあるインターネットサイト上に書いてある」という意味であるならば、先述しましたように、裁判上の基準に照らして判断することとなります。

 

そのサイト上に、著作権者の承諾を得ずに、保護期間が満了していない著作物の全部または一部を掲載する行為は、引用とはいえす、複製となり、著作権のうち、複製権(著作権法21条)及び公衆送信権(同法23条)を侵害するものとなります。

 

引用とは、先述しましたように裁判所の判断基準に合致した場合をいいますので、サイトに他人の著作物の全部または一部のみを掲載し、サイト運営者の文章なり、コメントなりが記載されていない状態は、複製となるからです。

 

例え、そのサイトに後から投稿者によって批評や評価が加えられても、サイトの運営者が著作物をサイトに掲載した時点において、すでに著作権を侵害するものとなります。

 

複製が許されるのは私的使用を目的とする場合だけですので、サイトへの掲載は例え無償であっても私的使用を目的としたものとはならず、著作権侵害となります。

 

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