JustAnswer のしくみ:
  • 専門家に質問
    知識豊富な専門家があらゆる質問にお答えするために常に待機しています。
  • 専門家が丁寧に対応
    E メールやサイト内オンラインメッセージなど、さまざまな手段で回答を通知。
    必要に応じてフォローアップの質問をすることもできます。
  • 満足度 100% 保証
    専門家からの回答を確認し評価をすることで、支払うかどうかを決めます。
patent777に今すぐ質問する
patent777
patent777, 弁理士資格を取得
カテゴリ: 特許・商標・著作権
満足したユーザー: 486
経験:  特に特許法、実用新案法、意匠法、商標法、パリ条約に精通しています。
61167350
ここに 特許・商標・著作権 に関する質問を入力してください。
patent777がオンラインで質問受付中

現在、建築士有資格者のための実務者講習を企画しています 建築士の資格においては資格取得の学校は既存でありますが

質問者の質問

現在、建築士有資格者のための実務者講習を企画しています
建築士の資格においては資格取得の学校は既存でありますが
資格取得後の実務について教える学校、セミナー等の存在はきいた事がなく
また、資格学校では資格のための勉強を教えるのみで
資格のための勉強は全く実務の則しておりません
このような講習、セミナーでの実用新案登録は可能でしょうか?
投稿: 5 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  houmu 返答済み 5 年 前.
実用新案登録というのは、「物品」の形状等に関するアイデアを保護する制度です。
従って、教育方法や学習方法といった「無形」のアイデアについて、保護を受けることは
出来ません。

実務学習のために必要なオリジナルの教材があり、その特徴的な形状が、
既存の教材にはない、なんらかの効果を生み出すというような場合に、権利を
得られる可能性があります。

例えば、実務学習に適した定規、指導・添削を行い易い製図台を開発した場合に、
それぞれの物について、実用新案権を得られる可能性があります。
専門家:  patent777 返答済み 5 年 前.

産業財産権を専門としている弁理士です。

 

結論から申しますと、実務者講習やセミナーとしては、実用新案登録を受けることができません。

 

実用新案法(以下「実」とする場合あり)の保護対象は「物品の形状、構造又は組合せに係る考案」です(実1条、3条1項柱書、6条の2第1号)。

また、「考案」とは、「自然法則を利用した技術的思想の創作」をいいます(実2j条1項)。

そのため、本事案における実務者講習の内容や講習方法は、物品の形状等とはいえず、自然法則の利用ともいえず、実用新案法の保護対象である「考案」に該当しません。

 

なお、「自然法則の利用」とは、「自然力を用いて、ある確率をもって同一の効果を反復して得られること」をいいます。本事案における実務者講習の内容や講習方法は、人為的な取決めによるものですので、全体として自然力を用いているとは言えません。

 

産業財産権法には、実用新案法と同様に技術的思想を保護する法律として特許法が存在します。特許法(以下「特」とする場合あり)の保護対象である「発明」とは、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち『高度』のもの」をいいます(特2条1項)。

 

実用新案は簡易な技術である考案を保護し、特許法では高度な技術である発明を保護対象としています。

 

特許法の保護対象は実用新案法と異なり、物品の形状等に限らず、「方法」も保護対象としています。そのため、実務講習の方法としてであれば、特許法で保護される可能性はあります。ただし、講習の内容自体は、それが従来にないものであっても、人為的な取決めであるため自然法則の利用とは言えず、特許法でも保護することができません。

 

また、方法についても、自然法則を利用していなければ保護されず、本事案のように講習方法は自然法則を利用していないため、そのままでは保護対象とはなりません。

講習方法が保護対象となるには、「ソフトウェア関連発明」とする必要があります。「ソフトウェア関連発明」とは、ソフトウェアがハードウェア資源(コンピュータ、CPU、メモリ、入出力装置、その他のコンピュータに接続された物理的装置)を用いて具体的に実現されているものをいいます。

 

したがいまして、講習方法がネットワークを用いて従来ないシステムを構築するものであれば、発明となり、特許される可能性があります。

 

特許は少し現実的でないということであれば、もう一つの可能性として考えられるのが著作権法により保護を受けるという方法があります。

 

著作権法(以下「著」とする場合あり)は、著作物に該当すれば保護します。

ここに「著作物」とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽に属するもの」をいいます(著2条1項1号)。

 

本事案でいいますと、実務講習用のテキストないし教科書を作成されておられるようですので、そのテキスト等が著作物となります。著作権法でいうところの「言語の著作物」(著10条1項1号)、図表などがあれば「図形の著作物」(著10条1項6号)に該当します。

 

ここに著 作権とは、様々な支分権の束のことをいいます。そのため、質問者様が著作物であるテキスト等を創作した場合、質問者様には、著作権として、複製権(著21条)、上演権及び演奏権(著22条)、上映権(著22条の2)、公衆送信権(著23条)、口述権(著24条)、展示権(著25条)、頒布権(著26条)、譲渡権(著26条の2)、貸与権(著26条の3)、翻訳権・翻案権等(著27条)及び二次的著作物の利用に関する原著作者の権利(著28条)の各支分権が発生します。(ただし、本事案の著作物であるテキスト等の性質からして上演権・演奏権、上映権、頒布権などは生じない可能性があります。)

 

さらに、公表権(著18条)、氏名表示権(著19条)、同一性保持権(著20条)といった著作者人格権も原始的に取得します。

 

著作権法は無方式主義を採用しています(著17条2項)。すなわち、何らの要式行為(出願、申請、審査、届出、登録など)を必要とせずに、著作物を創作した時点で自動的に著作権や著作者人格権(以下「著作権等」とします)が質問者様に発生します。

 

そのため、他人が質問者様の作成したテキスト等を無断で複製したり、公表したり、譲渡や貸与などをした場合には、それらの行為が私的使用などの所定の例外行為(著30条~47条の9)に該当しない限り、質問者様の著作権等を侵害することとなり、質問者様は民事および刑事罰の訴えを提起できます。

 

ここで注意が必要なのは、著作権法はアイデアそのものではなく「表現」を保護対象とするということです。そのため、他人の作成したテキスト等が質問者様のテキスト等に記載した講習内容と同じ内容のものであっても、その表現方法が全く異なるものであれば、質問者様の著作権等を侵害することになならないということです。

 

ただし、著作権には翻案権(著27条)という支分権があります。この「翻案」とは、他人が自分より先に創作した質問者様のテキスト等に修正増減を施し、新たに創作性のある表現を付加しても、他人の創作したテキスト等が、質問者様のテキスト等(原著作物)に依拠し、かつ、原著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することができる場合をいいます。そして、そのように翻案されたのであれば、他人のテキスト等は二次的著作物となります。

 すこし、ややこしい表現で理解し難いかもしれませんが、大雑把に言いますと、複製といえるほどには原著作物と近似していないが、全く別の著作物ともいえない著作物。あるいは、複製といえるほどではないが、それでもなお、二次的著作物から原著作物を直接想起させるほどに似ているといったようなものです。

 

二次的著作物の利用に関する原著作者の権利とは、他人が翻案により二次的著作物を制作した場合、他人がその二次的著作物に有する権利を、原著作物の著作者である質問者様も有するというものです。

そのため、他人が二次的著作物を利用する場合には、質問者様の承諾が必要となりますので、他人が模倣して作成したテキスト等は多少その表現を変えた程度では、質問者様の著作権等の範囲内ということです。

 

ここでもう一つ注意が必要なのは、いざ訴訟となったときに、質問者様のテキスト等が相手方のテキスト等よりも先に作成されたものであることを証明する必要があるということです。

そのため、テキスト等を創作されたときは、なるべく早くにその年月日の公証を得ておくことが必要です。

それにより、訴訟を有利に進めることができます。

 

特許・商標・著作権 についての関連する質問