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物流(?)システムを権利化することは可能でしょうか

解決済みの質問:

物流(?)システムを権利化することは可能でしょうか
投稿: 5 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 5 年 前.

 権利化を特許権の取得と捉えた場合、そのシステムが特許要件(特許法(以下「特」と記載する場合があります)49条)の要件を満たせば、特許を取得できることとなります。

 

 この特許要件には、対象が発明であるか(特29条1項柱書)、公知の発明と同じでないこと、すなわち新規性があるか(特29条1項各号)、公知の発明から容易に創作することができたものでないこと、すなわち進歩性があるか(特29条2項)などがあります。

 

 おそらく察しますには、質問者様は、そのシステムが発明の対象となり得るのかという点を御質問されているのではないかと推測されますので、その点についてご説明いたします。

 

 結論から申しますと、システムの内容次第によっては発明となったり、逆に発明とならなかったりするということです。

 

 ここで、発明について少しご説明させていただきます。

 特許法において「発明」とは、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう」と定義されています(特2条1項)。

 

 この定義に用いられている「自然法則を利用した」、「技術的思想」、「創作」、「高度のもの」という文言については、特許庁の「審査基準」や学説などで事細かに解釈がなされています。

 

 そして、それらの解釈に基づく本定義に合致すれば発明となり、上述した各特許要件を満たすことを前提として、特許を取得することができることとなります。

 

 そこで、「システム」の場合に、発明性で特に問題となる点は、「自然法則を利用した」ものであるか否かであります。

 

 この「自然法則を利用した」ものといえるための条件の一つに、自然力を用いない純知能的、精神的活動によって案出された法則を排除することとしています。具体的には、数学・論理学の法則、計算方法、人為的取決め(ゲーム、課税方法や保険制度)、経済学上の法則などは、自然法則を利用しておらず、発明の対象外となります。

 

 したがいまして、そのシステムが人為的取決めのみにより成立しているものであれば、発明の対象とはなりません。この点が本事案において気になるところです。

 

 さらに、純粋ビジネス方法も自然法則を利用していないものとして発明の対象とはなりません。

 

  しかし、システムやビジネス方法であっても、コンピュータ・ソフトウェア関連の発明であれば、発明の対象となり得ます。

 

 ここで、プログラムなどのソフトウェアが発明と認められるためには、ソフトウェアがハードウェア資源(コンピュータ、CPU、メモリ、入出力装置、その他のコンピュータに接続された物理的装置)を用いて具体的に実現されている必要があります。

 

 単なる、ビジネスソフト、OSソフトやゲームのソフト自体は発明の対象外ということです。具体的には、洗濯機、炊飯器、エンジンなどの機器に対する制御または制御に伴う処理を具体的に行うものであれば発明の対象になるということです。

 

 また、そのようなプログラムについて、時系列につながった一連の処理または操作、すなわち手段として表現すれば、方法の発明(特2条3項2号)として特許を受けることが可能です。

 

 したがいまして、本事案のシステムが、単なる人為的な取決めによるものではなく、ソフトウェアと協働して一連の処理、動作を行うようなものであるならば、発明の対象となり得ます。

 

 以下に、ビジネス分野における「ポイントサービス方法」の3つの具体例を提示します。

 

1.発明A

 テレフォンショッピングで商品を購入した金額に応じてポイントを与えるサービス方法において、①贈与するポイントの量と贈答先の名前が電話を介して通知されるステップ、②贈答先の名前に基づいて顧客リスト記憶手段に記憶された贈答先の電話番号を取得するステップ、③前記ポイント量を、顧客リスト記憶手段に記憶された贈答先のポイントに加算するステップ、④サービスポイントが贈与されたことを贈答先の電話番号を用いて電話にて贈答先に通知するステップ、とからなるサービス方法。

※この発明Aは、「電話」、「顧客リスト記憶手段」という手段を使用するものですが、全体としてみればこれら手段を道具として用いる人為的取決めそのものであって、「自然法則を利用していないもの」に該当し、発明とはなりません。

 

2.発明B

 インターネット上の店で商品を購入した金額に応じてポイントを与えるサービス方法において、①贈与するポイントの量と贈答先の名前がインターネットを介して通知されるステップ、②贈答先の名前に基づいて顧客リスト記憶手段に記憶された贈答先の電子メールアドレスを取得するステップ、③前記ポイント量を、顧客リスト記憶手段に記憶された贈答先のポイントに加算するステップ、④サービスポイントが贈与されたことを贈答先の電子メールアドレスを用いて電子メールにて贈答先に通知するステップ、とからなるサービス方法。

※発明Bは、「インターネット」、「顧客リスト記憶手段」、「電子メール」といった手段を利用するものですが、全体としてみればこれら手段を道具として用いる人為的取決めそのもであって、「自然法則を利用していないもの」に該当し、発明とはなりません。

 

3.発明C

 インターネット上の店で商品を購入した金額に応じてポイントを与えるサービス方法において、①贈与するポイントの量と贈答先の名前がインターネットを介してサーバーに入力されるステップ、②サーバーが、贈答先の名前に基づい て顧客リスト記憶手段に記憶された贈答先の電子メールアドレスを取得するステップ、③サーバーが、前記ポイント量を、顧客リスト記憶手段に記憶された贈答先のポイントに加算するステップ、④サーバーが、サービスポイントが贈与されたことを贈答先の電子メールアドレスにて贈答先に通知するステップ、とからなるサービス方法。

※発明Cは、サーバーが、「顧客リスト記憶手段」を検索して贈答先の電子メールアドレスを取得すると共に、「顧客リスト記憶手段」に記憶されている贈答先のポイントに加算し、取得した贈答先の電子メールアドレスに対して通知を行うという処理を、ハードウェア資源であるコンピュータを用いて具体的に実現した情報処理システムの動作方法であるから、この発明Cは「ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて具体的に実現されたもの」に該当し、発明となります。

 

 したがいまして、本事案におけるシステムが、上述しましたようにソフトウェア関連発明としての構成を要しているのであれば、発明の対象となり、その場合には、他の特許要件を満たすことを条件としまして特許を取得することができます。

 

 

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