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カテゴリ: 特許・商標・著作権
満足したユーザー: 486
経験:  特に特許法、実用新案法、意匠法、商標法、パリ条約に精通しています。
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ご担当者様 お世話になります、このたび「工業製品をイラスト化して広告利用する」ことに関しての質問がございます。

解決済みの質問:

ご担当者様

お世話になります、このたび「工業製品をイラスト化して広告利用する」ことに関しての 質問がございます。

現在クライアントにセグウェイ社製品(http://www.segway-japan.net/lineup/i2/basic.html)に限りなく似た乗り物のイラストを用いた広告クリエイティブのご提案をしております。

尽きましては、この広告内で使用しているセグウェイ社製品に似た乗り物が意匠権、その他何らかの権利の侵害に抵触するかどうか教えていただいてもよろしいでしょうか。

セグウェイ社製品に似た乗り物をイラスト化する際には、ディテールが実物と似ないよう配慮して描いております。

抵触しないようでしたら、このイラストを広告に使用する際に気を付けるべきことをご教授いただけますと幸いです。

よろしくお願いいたします。
投稿: 5 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  patent777 返答済み 5 年 前.

 私は知的財産権の専門家である弁理士ですので、知的財産権からの視点で回答します。

 まず、知的財産権には、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権があります。

 質問者様(以下「甲」と記載します)の広告の使用が、これらの権利を侵害するか否かについてご説明します。

 

 まず、セグウェイ社(以下「乙」と記載します)が、甲がイラスト化した乗り物に関して、知的財産権を我が国で取得していない場合または取得していても存続期間の満了などより、権利が消滅している場合には、甲の広告の使用は侵害となりません。

 

 いわゆる属地主義の観点から、諸外国で権利を取得していても、日本で権利を有していなければ、その効力は甲に及びません(甲が日本その他の乙が権利を取得していない国で使用する限り)。

 属地主義とは、権利は各国ごとに個別に発生し、一カ国で権利を取得していたとしても、その効力は、それ以外の国には及ばないということです。

 

 そこで、仮に乙その他の関連会社などが、日本においてイラストに描かれた乗り物の権利を有効に所有していることを前提にご説明します。

 

1.特許権との関係について

 特許権侵害とは、正当理由・権原なき第三者が、業として特許発明を実施し又は一定の予備的行為を行うことをいいます(特許法68条、101条)。

 

 ここで「実施」とは、物の発明にあっては、物の生産、使用、譲渡等、輸出、輸入、譲渡等の申出、譲渡等の展示をする行為をいいます(特許法2条3項1号)。

 

 したがいまして、甲の広告の使用が、セグウェイ社製品の乗り物と同じ乗り物またはセグウェイ社製品の乗り物の技術的範囲に属する乗り物を販売や貸渡しをするために行われるのであれば、その広告の使用は譲渡等の申出となって、実施に該当(特許法2条3項1号)し、特許権侵害となります(特許法68条)。

 

 しかし、その広告を上記とは異なる目的で使用する場合には、侵害となりません。

 このことは、セグウェイ社製品の乗り物が特許権ではなく、実用新案権であっても同様です(実用新案法2条3項、16条)。

 

2.意匠権との関係について

 意匠権侵害とは、正当理由・権原なき第三者が、業として登録意匠またはこれに類似する意匠を実施し又は一定の予備的行為を行うことをいいます(意匠法23条、38条)。

 

 意匠権は、物品と形態(形状、模様、色彩またはこれらの結合)が一体不可分のものとして成立するものであって、物品から切り離れた形態のみには発生しません。

 

 そのため、意匠権侵害となるのは、物品が同一で形態も同一、物品が同一で形態が類似、物品が類似で形態が同一、物品が類似で形態も類似のいずれかの場合です。物品または形態のいずれか一方が非類似であれば侵害は成立しません。

 また、「実施」の定義は、特許の場合とほぼ同じです(意匠法2条3項)。

 

 したがいまして、イラストに描かれた乗り物とセグウェイ社製品の乗り物(形態)が同一または類似であったとしても、甲がその広告を乗り物とは異なる物品に使用する場合や、何かのサービスに使用するような場合には、非類似の物品などに使用するわけですので、意匠権侵害とはなりません。

 そのような場合には、同一または類似する物品の譲渡等のための広告(申出)にも該当しません。

 

3.商標法との関係について

 商標権侵害とは、正当理由・権原なき第三者が、指定商品もしくは指定役務またはこれらに類似する商品もしくは役務に登録商標もしくはこれに類似する商標を使用し又は一定の予備的行為を行うことをいいます(商標法25条、37条)。

 

 ここで「使用」には、商品もしくは役務に関する広告、価格表、・・・に標章を付して展示し、頒布しまたはインターネットなどで提供することも含まれます(商標法2条3項8号)。

 

 したがいまして、その乗り物を描いたイラストと同一または類似する商標であって、かつ、甲がその広告を使用しようとしている商品または役務(サービス)と同一または類似する商品または役務について、セグウェイ社その他の第三者が有効な商標権を取得していた場合には、商標権侵害となります。そうでない場合には、侵害となりません。

 

4.著作権との関係について

 著作物とは、「思想または感情を創作的に表現したもの」(著作権法2条1項1号)であるため、乗り物自体は著作物ではなく、産業上の工業製品であると考えられます。

 

 一方、イラストについては、そこに思想や感情が表現されており、創作性があれば著作物となり得ます。

 

 そこで、本件で問題となるのは、甲のイラストと同じようなイラストや写真などの著作物が、他人によって先に創作されていた場合です。

 

 この場合には、その他人の著作者人格権や著作権の侵害となる場合があります。

 しかし、甲がその他人の著作物に依拠していない場合などには侵害が否定されます。

 

 著作権法は、他の産業財産権と異なり、無方式主義(著作権法17条2項)といって、申請や登録などの一切の手続きをしなくても著作権等が発生しますので、他人の著作物の存在を調査するのが困難です。

 

 また、実際に訴訟となった場合、いずれが先に創作したかの立証も難しいでしょう。

 

 逆に、甲のイラストは著作物となり得ますので、他者に無断で使用されたくないのであれば、後々の訴訟に備えて、行政書士に依頼して、創作日の申請をしておくこともできます。

 

 いずれにしましても、甲がその広告をどのような目的で使用するかによって侵害となるか否かが決まるということです。

 

 なお、特許、実用新案、意匠、商標について、先行調査をするには、特許庁のホームページにアクセスして電子図書館を無料で利用できますので、そちらで調査できます。ただし、初めて使用する場合には時間がかかったり、調査漏れが出るかもしれません。

 確実に調べるには、お金がかかりますが、専門の調査会社に依頼するか、特許事務所でも調査してくれるところがあります。

 また、日本弁理士会に相談してみるのもいいでしょう。ホームページがあります。

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