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カテゴリ: 特許・商標・著作権
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数年前に海外と国内の展覧会で発表した自分の動く彫刻作品にそっくりな作品を、国内のミュージアムが展示していることに気が

質問者の質問

数年前に海外と国内の展覧会で発表した自分の動く彫刻作品にそっくりな作品を、国内のミュージアムが展示していることに気がつきました。電話で問い合わせると、私の作品を参考にし、少しだけ違うように して施工会社が作ったという回答でした。その館のHPにも、館が作った作品の写真がオリジナルの私の作品のことは全くふれずに掲載されています。
このミュージアムに、作品の著作権使用料を払ってもらうことは可能ですか?また、作った施工会社が同じものを、他のミュージアムなどに販売しないよう約束をしてもらうことは可能でしょうか?
投稿: 6 年 前.
カテゴリ: 特許・商標・著作権
専門家:  hrykit 返答済み 6 年 前.

「少しだけ違うように して」の程度が分からないのでなんとも言えませんが、
質問者様の作品に依拠して作成されたものが十分に類似していれば、著作権侵害になる可能性が高いです。

著作権侵害であれば、相手方に対して、損害賠償請求・差止請求などを行うことができます。
また、刑事告訴をするという手もあります。ヤフーなどで海賊版DVDを売っている人がよく逮捕されていますが、あれです。ただ、警察が動くかどうかは分からないのでダメもとです。
専門家:  patent777 返答済み 6 年 前.

 質問者様(以下「甲」と記載します)の彫刻が、他人の著作物に依拠せず、かつ、創作性のあるものであれば、美術の著作物(著作権法(以下「著」と記載する場合もあります)2条1項1号、10条1項4号)となります。

 

 その場合には、著作権法は無方式主義(著17条2項)を採用しているので、申請や登録などの一切の手続きをしなくても甲は原始的に著作者人格権(公表権(著18条)、氏名表示権(著19条)、同一性保持権(著20条))及び著作権(複製権(著21条)、公衆送信権(著23条)、展示権(著25条)、譲渡権(26条の2)、貸与権(26条の3)、翻案権等(著27条)、二次的著作物の利用権(著28条))を取得します。

 

 したがいまして、施工会社(以下「乙」と記載します)及びミュージアム(以下「丙」と記載します)の行為が、甲の著作者人格権や著作権(以下「著作権等」と記載します)を侵害していれば、甲は自己の著作権等に基づいて、乙および丙に対して差止めや損害賠償などを請求でき(著112条、民法709条など)及び刑事罰を適用させることができます。

 

 では、どのような場合に侵害となるか、それは乙が製作した彫刻が、それより先に甲が製作した彫刻を複製(著2条1項15号)したものに該当する場合または翻案によって二次的著作物(著11条)に該当する場合です。そして複製でも二次的著作物でもない場合には、侵害となりません。

 

 そこで、まず複製についてですが、複製概念を確立した有名な最高裁の判例では、複製とは「既存の著作物に依拠し、その内容及び形式を覚知させるに足りるもの」と判示しています。

 

 甲の質問には「・・・私の作品を参考にし・・・」とあるので、乙が甲の彫刻(著作物)に依拠して自己の彫刻を創作していると思われますので、前記判例の前段部分の要件はクリアしていることになります。

 

 そうすると、質問にある「・・・少しだけ違うようにして・・・」のその違いの程度が問題となってきます。

 

 文脈から説明させていただくと、少しだけ違うわけですから、ほとんどの部分は同一ということになると思われます。

 そうだとすると、その異なる一部分が、甲の彫刻の本質的な特徴部分(甲の思想又は感情が表現されている部分、端的にいえば創作性のある部分)ではなく、何ら創作性のない部分であり、甲の創作性のある部分が、同一の部分であれば、乙の彫刻は、甲の創作部分をそのまま流用しているわけですから、おそらくこのような場合には、両者の彫刻は非常に近似しており、乙の彫刻は甲の彫刻の複製であると認定されると思われます。

 

 次に、翻案による二次的著作物についてですが、翻案とは、乙が自分より先に創作した甲の彫刻に修正増減を施し、新たに創作性のある表現を付加しても、乙の創作した彫刻が、甲の彫刻(原著作物)に依拠し、かつ、原著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することができる場合をいいます。そして、そのように翻案されたのであれば、乙の彫刻は二次的著作物となります。

 

 すこし、ややこしい表現で理解し難いかもしれませんが、大雑把に言いますと、複製といえるほどには原著作物と近似していないが、全く別の著作物ともいえない著作物。あるいは、複製といえるほどではないが、それでもなお、二次的著作物から原著作物を直接想起させるほどに似ているといったようなものです。

 

 実際には、どのような行為が翻案に該当するかは、著作物の種類や表現態様などによって異なり、確定的な基準は存在せず、ケース・バイ・ケースで判断せざるをえません。また、複製と翻案の厳密な境界も存在しないのが実情です。

 

 しかし、乙の彫刻が複製または翻案のいずれであったにせよ、甲の権利行使という点においては変わりがないので、いずれかに該当するのであれば、構わないわけです。

 

 なお、乙の彫刻が、甲の彫刻を翻案して作成された二次的著作物に該当する場合には、乙はその二次的著作物の著作者(著2条1項2号)となり、その二次的著作物について著作権等を有します。

 

 しかし、二次的著作物については、原著作物の著作者である甲にも同様に著作権等が生じます(著18条、19条、20条、28条)。そのため、乙は自己が製作した彫刻(二次的著作物)を利用するに際しては、甲の同意を得なければなりません。

 

 また、第三者である丙が乙の彫刻を利用する場合には、乙の他に甲の同意を得る必要があります。同意を得ずに利用した場合には、甲の著作権等を侵害することになります。

 

 それでは仮に乙の彫刻が複製又は二次的著作物に該当する場合、甲は乙と丙に対して、自己の著作権等のうち、いかなる権利を行使することが可能となり得るのか、想定してみます。

 

1.複製に該当する場合に行使できると想定される権利

 (1)乙が甲の彫刻を複製する行為およびその複製した彫刻を丙に譲渡又は貸与する行為

   ①氏名表示権(著19条) 丙が不特定者であって公衆であると認定された場合、乙は自

    己の彫刻(複製品)を公衆たり得る丙へ提供(譲渡・貸与)するに際して、甲の実名等を

    表示し又は表示しないことについて、甲の同意をえていないからです。

   ②複製権(著21条) 複製しているからです。

   ③譲渡権(著26条の2) 丙が不特定者であって公衆であると認定された場合、乙は複

    製品である自己の彫刻を公衆たる丙へ譲渡しているからです。

   ④貸与権(著26条の3) 丙が公衆であると認定された場合、乙は自己の彫刻を公衆た

    る丙に貸与しているからです。ただし、乙が非営利、かつ、丙から料金を受けていない

    場合には、行使できません(著38条4項)。そのようなことはあまり考えられませんが。

 

 (2)丙が乙から譲受けまたは貸与された彫刻を展示する行為

   ①氏名表示権(著19条) 丙が乙の彫刻(甲の複製品)を公衆へ提示(展示)する際に、

    甲の同意を得ていないからです。

    なお、原作品を展示する場合にのみ行使できる展示権(著25条)は、行使できませ

   ん。丙は原作品である甲の彫刻を展示しているわけではないからです。

 (3)丙が乙から譲受け又は貸与された彫刻の写真(これも複製品)をHPに掲載する行為

   ①氏名表示権(著19条) 丙が乙の彫刻を公衆へ提示(HPに掲載)する際に、甲の同意

    を得ていないからです。

   ②複製権(著21条) 私的使用(著30条)以外の目的で、HPに掲載するために、写真と

    いう複製手段を用いて乙の彫刻(甲の複製品)を有形的に再製(著2条1項15号)して

    いるからです。

   ③送信可能化権(著2条1項9号の5、23条1項かっこ書) HPのデータが保存されてい

    るサーバーに、乙の彫刻(甲の複製品である著作物)のデータを保存し、そのHPにアク

    セスした人は誰でも甲の著作物の複製品を見ることができる状態(すなわち送信可能

    化)にしているからです。

 

 (4)乙が自己の彫刻を他のミュージアムに販売する行為

   ①氏名表示権(著19条) 他のミュージアムが不特定者であって公衆であると認定され

    た場合、乙は自己の彫刻(複製品)を公衆たり得る他のミュージアムへ提供(販売)す

    るに際して、甲の実名等を表示し又は表示しないことについて、甲の同意を得ていな

    いからです。

   ②複製権(著21条) 販売するために複製しているはずであるからです。

   ③譲渡権(著26条の2) 販売するからです。

 

2.翻案に該当する場合に行使できると想定される権利

 (1)乙が彫刻(二次的著作物)を製作する行為及びその彫刻を丙に譲渡又は貸与する行為

   ①公表権(著18条) 未公表であった二次的著作物を公表するか否かについて甲の同

    意を得ずに、乙が公衆たり得る丙に提供(譲渡・貸与)しているからです。

   ②氏名表示権(著19条) 乙が二次的著作物を丙に譲渡または貸与するに際し、甲の

    実名等を表示し又は表示しないことについて甲の同意を得ていないからです。

   ③同一性保持権(著20条) 翻案であると認定されると、基本的には同一性保持権の侵

    害となるケースが多いからです。

   ④譲渡権(著26条の2、28条) 譲渡につき甲の同意を得ていないからです。

   ⑤翻案権(著27条) 乙は原著作物の著作者である甲の許諾を得ずに二次的著作物を

    創作したからです。

    なお、貸与権(著26条の3)は行使できません。乙は二次的著作物の「原作品」を丙に

   貸与している場合、貸与権は複製物の貸与にのみ行使できるからです。

 

 (2)丙が乙から譲り受けた二次的著作物を展示する行為

   ①公表権(著18条) 未公表の二次的著作物を乙が甲の同意を得ずに丙に提供(公表)

    し、その二次的著作物を丙がさらに展示という方法によって公衆に提示しているからで

    す。

   ②氏名表示権(著19条) 丙は二次的著作物の展示に際し、甲の実名等を表示し又は

    表示しないことについて甲の同意を得ていないからです。

   ③展示権(著25条、28条) 丙は二次的著作物(美術の著作物)の「原作品」を公に展

    示しているからです。なお、原作品の所有者による展示には権利行使できない旨の制

    限規定(著45条1項)が存在しますが、丙は乙が甲の同意を得ずに譲渡した原作品を

    所有しているので、制限規定の適用はないと考えられます。

 

少し回答が長くなってきたので、ここで一旦、返答し、別に続きを回答します。

専門家:  patent777 返答済み 6 年 前.

さらに続けます。

 

 (3)丙が乙から譲り受け又は貸与された二次的著作物の写真をHPに掲載する行為

   ①公表権(著18条) 未公表の二次的著作物を乙が甲の同意を得ずに丙に提供(公表)し、その二次的著作物を丙がさらにHPへの掲載という方法で公衆に提示しているからです。

   ②氏名表示権(著19条) 丙は、二次的著作物をHPに掲載するに際に、甲の実名等を表示し又は表示しないことについて甲の同意を得ていないからです。

   ③複製権(著21条、28条) 私的使用以外の目的で、二次的著作物をHPに掲載するための前段階として写真という方法で有形的に再製しているからです。

   ④送信可能化権(著23条、28条) 

 

 (4)乙が他のミュージアムに販売する行為

   ①公表権(著18条) 未公表の二次的著作物を乙が甲の同意を得ずに丙に提供(公表)し、その二次的著作物を乙がさらに他のミュージアムに譲渡(公表)することになるからです。

   ②氏名表示権(著19条)

   ③同一性保持権(著20条)

   ④譲渡権(著26条の2、28条)

   ⑤翻案権(著27条)

 

 以上の各権利を甲は行使できる可能性があると想定されます。

 

 ただし、仮に乙の行為が複製や翻案に該当しても直ちに訴えを提起するのは得策ではないかもしれません。

 和解などに持ち込んで解決した方が時間的にも、金銭的にも有利となる場合があるからです。

 今までの乙と丙の行為については謝罪してもらい、使用料を支払ってもらうという方法もあります。

 その前に、何人かに両方の彫刻ないしその写真を見てもらい、直感的に似ていると感じるかどうかを判断してもらうのもよいかもしれません。

 また、お金が掛かりますが、著作権に詳しい弁護士や弁理士に鑑定をしてもらうのもよいかもしれません。

 そして、複製や翻案に該当する蓋然性が高いと判断できたら、訴えを起こす前に警告し、その後、協議によって利用許諾契約の締結を交渉する。相手方が応じない場合に提起するといった方法もあります。

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