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kionawaka
kionawaka, 社会保険労務士
カテゴリ: 雇用・労働
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経験:  中央大学法学部法律学科卒 社会保険労務士事務所経営
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約7年経理で勤めた会社を 3/31に60歳定年になり 退職金も もらい 4/1より1年ごとの再雇用されたのですが、去

質問者の質問

約7年経理で勤めた会社を 3/31に60歳定年になり 退職金も もらい 4/1より1年ごとの再雇用されたのですが、去年6/20に退職した役員の退職金の計算を150万払いすぎたことに 気がつきました。この場合 退職金は返さなくてはいけませんか?就業規則には 重大な過失を犯したものは 退職金もなしだし、損害も支払わなければいけないと書いてあります。あと、雇用契約は破棄でしょうか?
投稿: 4 年 前.
カテゴリ: 雇用・労働
専門家:  kionawaka 返答済み 4 年 前.

>就業規則には 重大な過失を犯したものは 退職金もなしだし、損害も支払わなければいけないと書いてあります。あと、雇用契約は破棄でしょうか?

 

→退職金支給規定に、懲戒解雇の場合は退職金を全額支払わないとの規定をした場合、有効かという問題があります。

 

 橋本運輸事件名古屋地判昭47.4.28は「退職金は、賃金の後払い的性格をも帯有していることは否定できないから、たとえ右制限規定の具体的適用が、就業規則上使用者の裁量に委ねられているとしても使用者の被懲戒解雇者に対してなす右具体的適用は労基法の諸規定やその精神に反せず、社会通念の許容する合理的範囲においてなされるべきものと考える。

 

 この見地からすると、退職金の全額を失わせるに足りる懲戒解雇の事由とは、労働者に永年の勤続の功を抹消してしまうほどの不信があったことを要し、労基法20条但書の即時解雇の事由より更に厳格に解すべきである」としています。

 

  ここで著しい不信行為とは、会社の経営を著しく侵害する行為、会社に著しい実損害を与える行為、暴行横領等刑事事件に該当する行為でなければなりません。

 

 本件計算ミスは重過失に当たる可能性があるとはいえ、故意ではないので、懲戒解雇事由に当たりません。よって「従業員の永年の勤続の功労を抹消してしまう程の不信行為に該当するもの」とはいえません。

 

 よって、この就業規則の規定を理由に会社がわが退職金全額を不支給にすることには無理があります。同様に雇用契約の更新がないとも言い切れません。

 

 社長から当該元役員に言って、退職金の過払い部分を返還してもらえばそれで会社に実損害は与えていないことになります。

 

*企業側の労働社会保険手続き代行のみならず、従業員側の個別労働関係民事紛争の相談・解決にも積極的に応じています。

kionawaka, 社会保険労務士
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質問者: 返答済み 4 年 前.

確かに 計算ミスをした 自分が一番悪いのですが、一応 稟議書(計算書)

を まず専務(今の社長)に、それから前社長に見せて OKと言うことで役員会議にもっとあげようということで プラス100万がつけて支払っています。

間違いも本当なら 前社長に聞けたのに 前社長が パワーハラスメントで 怖くて聞くことができませんでした。 第一 1番最初の役員のときに1.4倍と書いたのに 間違っていると元社長に言われなかったので、その倍数が正しいものだと思ってしまいました。元社長と経理の私との責任は半分ずつだと思っています。会社の責任は?ただ、この社長のお兄さんの会長とは 知り合いでもあり 私を今の会社によんでくれたのも会長で 今の社長は息子さんに当たります。

 私が このまま 1年後 契約が終わり 再雇用なしで辞めた場合 その後 判明した場合はどうなるのか お聞きしたいです。

あと、本当に 気が付かなかった場合は?

他の人の意見は 圧倒的に ただただ 第2チェックが甘すぎだと言ってます。

専門家:  kionawaka 返答済み 4 年 前.

>1番最初の役員のときに1.4倍と書いたのに 間違っていると元社長に言われなかったので、その倍数が正しいものだと思ってしまいました。元社長と経理の私との責任は半分ずつだと思っています。会社の責任は?

 

→過失の競合になると思います。負担割合は二分の一でしょう。

 

>私が このまま 1年後 契約が終わり 再雇用なしで辞めた場合 その後 判明した場合はどうなるのか お聞きしたいです。

あと、本当に 気が付かなかった場合は?

 

→退職後に退職金(質問者様の退職金のことです。)不支給事由が判明した場合、退職金を不支給にすることができるか、また既に支払った退職金の返還請求ができるかの問題です。

 

 イ 退職金支給規定に「退職後懲戒事由が判明したときは退職金は支払わない」旨の規定がある場合

 

 規定がある場合は不支給にできるし、既に支給していれば返還請求ができます。

 しかし、規定さえあればどのような事由であっても全額不支給にできるわけではなく、それまでの勤続の功を抹消するほどの著しい背信性があることが必要です(日本広告社事件 名古屋高判平2.8.31)。

 

 なぜなら、退職金には賃金の後払いという性格もあることから、社会通念の許容する範囲でのみ不支給が是認されるからです。

 

 Q:では支給した退職金が本来不支給のものであったにもかかわらず支給した場合、支給した退職金の返還請求ができるかが問題です。

 

 本来であれば全額不支給であるところ、たまたまその事実が支給の際に判明しなかったために支給されたものであり、その支給は、支払い義務のない支給であることからして、使用者は不当利得の返還請求ができると解されます。

 

 同業他社に就職して人材の大量引き抜きを行ったことを理由に退職金の全額の不当利得返還請求を認めた裁判例として、福井新聞社事件(福井地判昭62.6.19)があります。

 

 曰く「このような退職は退職一時金支給規程の趣旨に照らすと、正に不支給事由に該当する。・・・・・・・・従って、被告らは、本来退職一時金の支給を受ける地位になかったにもかかわらず、真の退職理由を秘してそれぞれ支給を受け、会社に退職一時金相当額の損失を与え、これを不当に利得したものである」

 

 ロ 規定のない場合

 

 「退職後一定の事由があった場合、退職金を支払わない」旨の規定がない場合は、不支給にはできないし、返還請求もできないと解せられます。

 

 なぜなら、このような規定がない限り、使用者が退職金の全額支給義務を負っているからです。

 

 (補足)退職金の計算を間違って払いすぎた場合は、背任罪(刑247条)になる可能性がありますが、故意が必要ですし(本件は過失です)、目的犯であるため、主観的要件として、故意のほか、自己若しくは第三者の利益を図る目的(利得の目的)、又は本人に損害を加える目的(加害の目的)を要しますから、成立しません。

 

 不当利得返還請求の時効は10年です。

 

 基本的には、何か言ってくるまでほおっておいてよいと思います。気がつかないほうが悪いのですから。

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